新型iPad Mini (A17 Pro)が「文鎮化」しても、Appleの新機能で簡単に復元できるようになった。RecoveryOSを搭載した同モデルでは、近くのiPhoneやiPadが自動的にワイヤレスで復元を試みる。PCを使わずに操作可能な点が注目され、既存のApple WatchやApple TVでも実績を持つ技術が進化した形だ。この機能を利用するには、復元に使うデバイスがiOS 18以上を搭載している必要がある。
RecoveryOSによるワイヤレス復元機能の導入
新型iPad Mini (A17 Pro)は、RecoveryOSを搭載することでワイヤレスでの復元が可能となった。これにより、デバイスが「文鎮化」した際もPCに接続することなく、近くの他のiPhoneやiPadから復元作業ができる。
具体的には、復元するiDeviceを問題のiPad Miniの近くに持ち寄ると、自動的に復元プロセスを開始するためのポップアップが表示される。ポップアップの指示に従うと、復元するデバイスに最新のiPadOSファームウェアがダウンロードされ、その後、ワイヤレスで「文鎮化」したiPad Miniに転送される。
これにより、オペレーティングシステムがフラッシュされ、デバイスは再起動される。PC不要のこのシステムは、ユーザーにとって復元作業のハードルを大きく下げる画期的な機能といえる。
既存のApple WatchやApple TVでの実績
RecoveryOSは、初めて登場した技術ではない。Appleは以前から、同様のワイヤレス復元機能を他の製品にも導入してきた。最初に採用されたのはApple Watchで、続いてApple TVでもこの機能が追加された。これらのデバイスは、最新のソフトウェアバージョンをインストールしたiPhoneを介して、PCを使わずに復元できるようになっている。
この技術の進化により、デバイスの修理や復元がより簡単に行えるようになったことは、ユーザーにとって大きなメリットである。今回のiPad Mini (A17 Pro)への採用も、その延長線上にあるといえる。Appleはこの機能を順次拡大し、より多くの製品に提供することで、エコシステム全体の利便性を高めることを目指している。
iOS 18以降のiDeviceが必須条件
新型iPad Mini (A17 Pro)のRecoveryOSによるワイヤレス復元を行うためには、使用するiPhoneやiPadがiOS 18またはiPadOS 18以降を搭載している必要がある。これは、ワイヤレスでのOS転送と復元機能が最新のオペレーティングシステムに依存しているためである。
従って、古いバージョンのOSを使用しているデバイスでは、ワイヤレスでの復元は実行できない。また、復元を行う際には、最新のファームウェアを使用するため、事前に復元用デバイスのOSをアップデートしておくことが推奨される。このようにして、Appleはユーザーが常に最新のソフトウェアでデバイスを使用することを促進している。
従来のPCによる復元方法との比較
新しいワイヤレス復元機能が追加されたとはいえ、従来のPCを使用した復元方法も引き続きサポートされている。FinderやiTunesを使って、問題のあるiPad Mini (A17 Pro)をPCに接続し、手動で復元作業を行うことができる。この方法は、特に他に利用できるiDeviceがない場合や、ワイヤレス接続が安定しない場合に有効である。
PCを使用する従来の方法では、直接デバイスにファームウェアを書き込むため、データの転送速度が速くなる場合もある。一方、ワイヤレスでの復元は手軽で利便性が高いものの、通信環境によっては時間がかかる可能性がある。ユーザーの状況や環境に応じて、最適な方法を選択することが重要である。