Appleは3年の沈黙を破り、ついに新型iPad mini 7を発表した。公式リリース前からテックレビューが相次ぎ、その多くが好意的な評価を下している。この小型タブレットはA17 Proチップの搭載によるパフォーマンス向上やApple Pencil Proへの対応など、ユーザーにとって魅力的な改良点がいくつか存在する。

A17 Proチップの搭載でパフォーマンスが向上

新型iPad mini 7には、iPhone 15 Proと同じA17 Proチップが搭載されており、前モデルのA15 Bionicチップから大幅な性能向上を果たしている。Geekbench 6のパフォーマンステストでは、iPad mini 6のスコア4,540に対し、iPad mini 7は7,213という高得点を記録している。

このアップグレードにより、ウェブブラウジングや動画視聴、ゲームプレイの滑らかさが格段に向上している。特にApple Intelligenceのサポートに対応する予定であり、より高度なAI機能が利用できる点も注目だ。さらに、基本ストレージ容量が従来の64GBから128GBに倍増しており、ユーザーのニーズに応える仕様となっている。このように、パフォーマンス面での大幅な改善は、iPad mini 7の価値を一層高めている。

Apple Pencil Proに初対応、小型デジタルノートとしての可能性

iPad mini 7は、ついにApple Pencil Proに対応し、他のiPadシリーズと同様の高度な操作が可能となった。Apple Pencil Proを用いたホバリング機能や圧力感知による描画、繊細な筆運びがそのまま利用できる点は、デジタルアーティストやクリエイティブな作業を行うユーザーにとって魅力的である。

特に、iPad miniの小型軽量なサイズとの組み合わせは、持ち運びやすさと利便性を兼ね備えたデジタルノートとしての可能性を広げる。手軽にメモを取ったりスケッチを描いたりできることから、プロフェッショナルだけでなく学生やビジネスユーザーにも有用であると評価されている。この対応により、iPad miniはより汎用性の高いデバイスへと進化を遂げている。

ディスプレイの最適化と刷新されなかった60Hzのリフレッシュレート

新型iPad mini 7では、ディスプレイの最適化が施され、以前のモデルで問題視された「ジェリースクロール」が軽減されている。ディスプレイ回路の改良が行われた結果、スクロール時の遅延やズレが目立たなくなったと評価されているが、Appleから具体的な技術的詳細は明かされていない。

一方で、リフレッシュレートが従来通り60Hzのままであることには批判も多い。市場の競合機種が90Hzや120Hzを採用する中、iPad mini 7が60Hzにとどまることは「時代遅れ」との声もある。しかし、ディスプレイの視認性やカラー表現の精度は高く、標準的な使用には十分な性能を備えているといえる。

新型iPad miniの改良点と今後への期待

iPad mini 7は、パフォーマンスや機能の面で多くの進化を遂げているが、完全に満足できる仕様ではないと感じるユーザーもいる。60Hzのリフレッシュレートはその一例であり、次期モデルでの改善が期待される。特に、90Hz以上のリフレッシュレートの導入やさらなるディスプレイ技術の向上が望まれている。

それでも、A17 ProチップやApple Pencil Proのサポートといった革新は、日常の使い勝手を向上させ、ユーザー体験の質を大きく高めている。今後もiPad miniシリーズの進化が続くことに期待したい。