AMDが2025年1月に開催されるCESで、新たなグラフィックスカード「Radeon RX 7650 GRE」を発表する可能性が浮上した。このモデルは、既存のRX 7600 XTとRX 7700 XTの中間に位置することが予想されている。主に中国市場向けに展開される可能性が高いが、過去に同様のGREモデルが世界市場にも展開された実績があるため、今回も広範囲でのリリースが期待される。
新GPUは、10GBまたは12GBのGDDR6メモリを搭載する可能性があり、特に競争の激しいミッドレンジ市場で注目を集めるだろう。
新GPU「Radeon RX 7650 GRE」とは何か
AMDが開発中とされるRadeon RX 7650 GREは、2025年のCESで発表される可能性が高い。GRE(Golden Rabbit Edition)と呼ばれるこのシリーズは、これまで主に中国市場向けに展開されてきたが、過去のモデルであるRX 7900 GREが世界市場でも発売された実績があることから、今回も同様の動きが期待される。このRX 7650 GREは、RX 7600 XTとRX 7700 XTの中間に位置すると見られており、価格と性能のバランスに優れたモデルとして注目されている。
具体的なスペックはまだ公式に発表されていないが、10GBから12GBのGDDR6メモリを搭載する可能性があり、AMDのRDNA 3アーキテクチャを採用することが予想されている。これにより、NVIDIAのRTX 4060 Tiなどの競合製品と直接対抗することになるだろう。AMDはコストパフォーマンスを重視した戦略を打ち出しており、RX 7650 GREもその一環と見られる。特にゲーミング市場では、より高い性能を求めるユーザー層にとって魅力的な選択肢となる可能性がある。
RDNA 3アーキテクチャを採用した性能の予測
Radeon RX 7650 GREは、AMDのRDNA 3アーキテクチャをベースに設計される見込みである。このアーキテクチャは、同社の最新世代GPUに採用されている技術であり、性能向上と効率性に焦点を当てている。RDNA 3は、前世代のRDNA 2に比べてシェーダーエンジンやキャッシュの効率が大幅に向上しており、より滑らかなグラフィックス体験を提供することが可能だ。
RX 7650 GREは、おそらく40基のコンピュートユニット(CUs)と2,560のストリームプロセッサを搭載することが予想されており、これによりゲームやクリエイティブアプリケーションにおいて優れたパフォーマンスを発揮することが期待される。特に、1080pや1440p解像度のゲームプレイにおいて、その力を最大限に発揮するだろう。また、10GBまたは12GBのGDDR6メモリを搭載する可能性が高く、これによりNVIDIAのRTX 4060 Tiに対抗できるスペックを持つと考えられる。これにより、ミッドレンジ市場での競争がさらに激化することが予想される。
中国限定からグローバル展開の可能性
GREシリーズのGPUは、これまで中国市場に限定して販売されることが多かった。RX 7650 GREもその流れを汲んで中国限定モデルとしてリリースされる可能性が高いが、過去にRX 7900 GREが世界的に展開された前例があるため、RX 7650 GREもグローバル展開される可能性がある。特に、コストパフォーマンスを重視するユーザー層や、手頃な価格でゲーミング性能を求める市場においては需要が高いと予想される。
また、世界的なチップ供給の問題が改善されつつあることから、AMDとしても中国市場だけに限定するよりも、グローバルに展開した方が利益を最大化できると判断する可能性がある。AMDは、NVIDIAやIntelとの競争においてシェアを拡大するため、ミッドレンジモデルを強化する戦略を取っており、RX 7650 GREもその一環として期待される。特に、NVIDIAのRTX 4060シリーズと直接対抗することで、ユーザーにより多くの選択肢を提供し、市場全体を活性化させるだろう。
RDNA 4発表のタイミングと市場への影響
2025年のCESでは、AMDがRDNA 4アーキテクチャを発表するとの噂もある。これは、RX 7650 GREの発表とタイミングが重なるため、やや異例の展開といえる。通常、新しいアーキテクチャの発表が行われる際には、既存モデルの更新や刷新が期待されるが、RX 7650 GREはRDNA 3をベースにしており、次世代モデルとの混在が市場にどのような影響を与えるかが注目される。
RDNA 4が登場することで、特にハイエンド市場ではさらなる性能向上が期待されるが、ミッドレンジ市場ではRDNA 3が引き続き主流となる可能性が高い。RX 7650 GREがこのタイミングで発表されることで、価格競争が一層激化し、ユーザーにとっては選択肢が広がることになるだろう。AMDとしては、RDNA 4によってハイエンド市場を抑えつつ、RDNA 3によってミッドレンジ市場でも競争力を維持する戦略を取ることが予想される。