Apple Watch Series 10と9は、最新のウェアラブルテクノロジーにおける健康管理機能を備えている。中でもシリーズ10は、睡眠時無呼吸症候群の検出という重要な機能が追加された点が大きな特徴だ。

シリーズ9と10のどちらも、Siriを使って個人の健康データを声で確認できる機能を持つが、シリーズ10では血中酸素測定機能が除外されたモデルも存在する。さらに、watchOS 11のアップデートにより、シリーズ6以降のモデルに新たな健康機能が追加されている。

シリーズ10の注目機能：睡眠時無呼吸症候群の検出

Apple Watch Series 10では、健康機能の中でも特に注目すべき新機能として、睡眠時無呼吸症候群の検出が導入された。この機能は、睡眠中に発生する無呼吸を検知し、ユーザーに通知する仕組みである。無呼吸症候群は健康に重大な影響を及ぼす可能性があり、早期発見が重要だ。Apple Watchはこの領域でも先端技術を駆使しており、ユーザーが日常生活でより簡単に自身の健康状態を把握できるよう支援する。

シリーズ10では、睡眠時の呼吸パターンを詳細に監視し、異常があれば通知を送る。この機能は、睡眠の質や健康リスクに関心のある人々にとって非常に有益である。また、この機能はシリーズ9やUltra 2にも追加されているため、最新のソフトウェアとハードウェアの組み合わせが重要であることがわかる。以前のモデルを使用しているユーザーにとっては、この機能の導入がアップグレードを検討するきっかけとなるかもしれない。

一方で、シリーズ7以前のモデルにはこの機能が搭載されておらず、シリーズ10や9との明確な差異が存在する。こうした健康管理機能の進化は、Apple Watchがウェアラブルデバイスの中でも一歩先を行く存在であることを示している。

シリーズ9と10の共通点：Siriの健康データ管理

シリーズ9とシリーズ10は、Siriを用いた健康データ管理機能を搭載している。この機能により、ユーザーは音声で自身の健康データを確認したり、健康情報を新たに追加することができる。例えば、体重や服薬の記録などをSiriに話しかけるだけで、Apple Watchがデータを自動的に記録してくれる仕組みだ。従来の手動入力の手間を省き、ユーザーがより簡単に自身の健康状態を管理できるようになっている。

この音声対応の健康データ管理は、プライバシーにも配慮されており、データは完全に暗号化され、第三者がアクセスできないようになっている。シリーズ9と10では、この音声機能がデバイス上で処理されるため、インターネットに接続しなくても利用可能である点が大きな特徴である。これにより、ユーザーはより迅速かつ安全にデータを操作できる。

また、この機能は特に忙しい現代人にとって非常に有用である。運動中や仕事中でもSiriを使って瞬時にデータを記録することができ、時間を無駄にすることなく健康管理を続けられる。Siriによる健康データ管理は、Apple Watchの利便性をさらに高める重要な要素となっている。

シリーズ10から削除された血中酸素測定

Apple Watch Series 10では、血中酸素測定機能が一部のモデルで削除されるという驚きの変更が加えられた。特に、2024年1月18日以降にアメリカで販売されるシリーズ10とUltra 2のモデルでは、この機能が搭載されない仕様となっている。これは、これまでApple Watchの主要な健康機能の一つとして位置付けられていたため、多くのユーザーにとって予期せぬ変更であると言える。

この変更は、特定の規制や市場の要請に応じたものと考えられるが、詳細な理由は公表されていない。シリーズ9以前のモデルでは引き続き血中酸素測定機能が搭載されているため、この機能を重視するユーザーは、シリーズ9以前のモデルを選ぶか、アメリカ以外で販売されるシリーズ10を検討する必要がある。

血中酸素測定は、特に呼吸器系や心血管系の健康状態をモニタリングする際に有効であり、運動や高地での活動を行うユーザーにとっては欠かせない機能であった。今回の機能削除は一部のユーザーにとって不便となるが、Appleは他の新機能を補完的に提供することで、総合的な健康管理の向上を目指している。

watchOS 11がもたらす全モデルへの健康機能の進化

Apple Watchの最新OS、watchOS 11は、シリーズ6以降の全モデルに対して大幅な健康機能のアップデートをもたらしている。特に、睡眠の質やトレーニングの負荷、妊娠中の新しいビューなど、日常生活に直結する機能が充実している。これにより、古いモデルを使用しているユーザーでも最新の健康管理技術を享受できるようになっている。

watchOS 11で新たに導入された「トレーニング負荷」機能は、運動の効果をより詳細に把握できるようにするものである。この機能は、日々の運動量やトレーニングの強度を数値化し、適切なフィードバックを提供する。また、「カスタムワークアウト」機能も追加され、特に水泳や登山などのアクティビティに対応したワークアウト設定が可能になった。

さらに、watchOS 11では海岸データを表示する「潮汐アプリ」も新しく導入されており、自然環境での活動に関心のあるユーザーにとって非常に便利なツールとなっている。これらの新機能は、健康管理だけでなく、日常生活やアクティブなライフスタイル全般をサポートするものであり、Apple Watchの価値をさらに高めている。