海外旅行中に「まだ何もしていないのにバッテリーが半分以下になっている」と焦った経験はありませんか。

高性能なGalaxy S24でも、海外では通信環境が大きく変わるため、設定次第で電池持ちが大きく左右されます。特に5GやデュアルSIM、eSIM運用は便利な一方で、知らないうちに“見えない電波探し”が続き、バッテリーを急速に消耗させることがあります。

本記事では、Snapdragon 8 Gen 3とExynos 2400の違い、5G NSAの仕組み、セルスタンバイ問題、Wi-Fi Callingの可否、さらにPPS急速充電や機内持ち込みバッテリー規制まで、最新情報をもとにわかりやすく整理します。

設定を少し変えるだけで、実測で10〜15%以上バッテリー持ちが改善するケースもあります。旅先で“電池切れの不安”から解放されるために、今すぐできる具体策を一緒に確認していきましょう。

なぜ海外ではGalaxy S24のバッテリーが減りやすいのか

海外レビューや掲示板を見ると、「Galaxy S24は海外だとバッテリーの減りが早い」という声が少なくありません。実はその多くは端末の不具合ではなく、海外特有の通信環境とローミングの仕組みに原因があります。

とくに影響が大きいのは、5Gの方式と電波の強さです。Android Authorityによれば、5Gは状況によって4Gよりも電力を多く消費することがあります。海外ではいまだに5G NSA(ノンスタンドアローン)方式が主流の地域も多く、ここに落とし穴があります。

通信方式 特徴 バッテリーへの影響
4G LTE 単独で通信 比較的安定
5G SA 5Gのみで完結 効率は改善傾向
5G NSA 4G+5Gを同時利用 消費電力が増えやすい

NSA方式では、スマホが4Gと5Gの電波を同時につかみ続けます。つまり通信回路が“二重稼働”する状態になり、物理的に電力消費が増えます。都市部から少し離れただけで電波が不安定になる国も多く、そのたびに接続の再試行が発生します。

さらに見逃せないのが弱い電波環境での最大出力送信です。基地局から遠い、地下鉄や石造りの建物内などでは、端末は接続を維持するため送信出力を引き上げます。電波が弱いほどスマホは“全力疾走”状態になり、これが「何もしていないのに減る」原因になります。

加えて、ローミング中は接続先キャリアを探す「ネットワークサーチ」が頻繁に行われます。Redditなどのユーザー報告でも、海外で圏外表示が続く環境では一晩で大きく電池が減ったという事例が確認されています。これは端末が故障しているのではなく、バックグラウンドで基地局探索を繰り返しているためです。

端末のチップ差も無関係ではありません。Galaxy S24シリーズは地域によってSnapdragon版とExynos版があります。複数の実測比較では、特に5G利用時や移動中のハンドオーバー時に、Exynos版のほうが消費電力がやや増える傾向が報告されています。ただしこれは条件次第で変わるため、決定的な差というより「環境次第で体感差が出やすい」と理解するのが適切です。

海外でバッテリーが減りやすい主因は「通信モデムの負荷増大」です。アプリの使いすぎよりも、電波環境とローミング挙動の影響のほうが大きいケースが多いです。

つまり、海外での電池消耗は端末性能の問題というより、電波を必死に探し続ける“見えない通信コスト”が積み重なった結果です。この仕組みを理解することが、対策の第一歩になります。

Snapdragon版とExynos版の違いが電池持ちに与える影響

Snapdragon版とExynos版の違いが電池持ちに与える影響 のイメージ

Galaxy S24シリーズは、販売地域によって搭載チップが異なります。日本モデルはSnapdragon 8 Gen 3 for Galaxy、欧州など一部地域ではExynos 2400です。この違いは処理性能だけでなく、実は電池持ちにもはっきり影響します。

まず前提として、スマートフォンの消費電力はディスプレイと通信モデムが大半を占めます。特に移動中や5G利用時はモデムの効率がバッテリー寿命を左右します。ここでSnapdragon版とExynos版の差が見えてきます。

項目 Snapdragon版 Exynos版
製造プロセス TSMC 4nm(N4P) Samsung 4nm(4LPP+)
モデム Snapdragon X75 Exynos Modem 5300
弱電界での効率 高い傾向 やや不利との報告
5G時の発熱 比較的安定 高負荷時に上昇しやすい

Qualcommの公式資料によれば、Snapdragon X75は前世代比でRF周りの消費電力を最大20%削減しています。さらにAIを使った電波選択機能により、弱い電波を無理につかみ続ける時間を減らす設計です。

一方、Exynos 2400も高性能ですが、海外ユーザーの検証やフォーラム報告では、5G通信時の発熱がやや大きいという声が見られます。発熱が増えると、内部でスロットリングが発生し、処理時間が長引きます。その結果、画面点灯時間が伸びてトータルの消費電力が増えるという連鎖が起きやすくなります。

特に影響が出やすいのは次のような場面です。地下鉄や建物内など電波が不安定な環境、移動中の基地局切り替えが多い状況、5G NSAで4Gと5Gを同時につかむケースです。Android Authorityも指摘している通り、NSA構成では物理的に消費電力が増えます。

こうした条件が重なると、Exynos版はSnapdragon版と比べて約5〜10%程度バッテリー消費が増える可能性があるとする検証結果もあります。数値だけ見ると小さく感じますが、1日外出する旅行や出張では体感差になります。

日本で正規購入したSnapdragon版は、国際的に見ても電力効率の面で有利なハードウェアを搭載していると言えます。

とはいえ、Exynos版が実用に耐えないわけではありません。通常利用では大きな差を感じにくいのも事実です。ただし、長時間の5G通信や電波の弱いエリアでは差が表面化しやすい、というのが現時点での技術的な評価です。

ご自身のモデルがどちらかを把握しておくだけでも、電池持ちへの期待値や設定の工夫が変わります。チップの違いは見えない部分ですが、1日の安心感に直結する重要なポイントです。

5Gは本当に電池を食う?NSA方式とミリ波の仕組み

「5Gにすると電池が減りやすい」と感じたことはありませんか。結論から言うと、条件によっては本当に減りやすくなります。そのカギを握るのが「NSA方式」と「ミリ波」の仕組みです。

まずは、現在多くの国で使われている5Gの方式を整理してみます。

方式 仕組み バッテリーへの影響
5G NSA 制御は4G、データは5Gを使用 4Gと5Gを同時接続し消費増
5G SA すべて5Gで完結 単独動作で比較的効率的

Android Authorityによれば、5Gが電力を多く使う主因の一つはこのNSA(Non-Standalone)構成です。NSAでは4Gと5Gを同時に維持する「デュアル接続」が必要になります。つまり、スマホ内部の無線回路が2系統同時に動く状態です。

イメージとしては、エンジンを2つ同時に回しながら走るようなものです。通信が速くなる一方で、物理的に消費電力は増えやすくなります。

さらに、米国などで展開されているミリ波(mmWave)も見逃せません。ミリ波は非常に高速ですが、直進性が強く、建物や人に遮られやすい特性があります。

そのため端末はビームフォーミングという電波の向きを細かく制御する処理を繰り返します。QualcommのSnapdragon X75の技術資料でも説明されている通り、この処理は高精度なアンテナ制御と演算を伴います。

電波が安定していれば問題ありませんが、観光中に街中を歩き回るような環境では、接続と再探索を頻繁に繰り返します。この「探し続ける動作」が、地味に電池を削っていきます。

高速通信そのものよりも、不安定な環境での維持コストのほうが電池を消耗させやすいのです。

一方で、最新のSnapdragon X75モデムでは、前世代比でRF消費電力を最大20%削減する統合設計や、AIによるマイクロスリープ制御が導入されています。これは使っていない瞬間にミリ秒単位で通信回路を休ませる仕組みです。

つまり「5G=必ず電池食い」という単純な話ではありません。NSA環境かどうか、ミリ波を頻繁に探索していないか、電波が安定しているかで体感は大きく変わります。

旅行先や郊外でバッテリーが急に減ると感じた場合、それは5Gそのものよりも、裏で動いている接続維持の仕組みが原因である可能性が高いのです。

One UI 8のライトパフォーマンスモードでどこまで改善できるか

One UI 8のライトパフォーマンスモードでどこまで改善できるか のイメージ

ライトパフォーマンスモードは、いわゆる「省電力モード」とは別物です。
バッテリーを無理やり節約するのではなく、CPUとGPUを最も効率の良い動作帯にとどめることで、体感速度をほぼ維持したまま消費電力を抑える設計になっています。

Samsung公式サポートによれば、このモードはピーク周波数のみを抑え、日常操作のスムーズさには影響しにくいチューニングが施されています。
実際、海外フォーラムのベンチマーク報告ではスコアが約10〜20%低下する一方、SNSやブラウジング、地図アプリでは違いを感じにくいという声が大半です。

項目 標準モード ライトモード
ピーク性能 最大クロック動作 やや抑制
体感速度 非常に高速 ほぼ差なし
発熱 高負荷時に上昇 抑制されやすい
バッテリー持続 通常 約10〜15%延長報告

特に注目したいのは「発熱の抑制」です。
海外では炎天下でのナビ利用や写真撮影など、高温環境での使用が増えます。ピーク性能を抑えることで熱暴走を防ぎ、結果としてサーマルスロットリングによる性能低下や輝度制限を回避しやすくなります。

一時的に性能を下げるより、安定して使い続けられることのほうが旅行中は重要です。
ライトモードはまさにそのための設定といえます。

実測ベースでは、画面オン時間が約10〜15%伸びたというユーザー報告もあり、移動日など長時間充電できない場面では体感差が出ます。
たとえば通常5時間持つ使い方なら、単純計算で30〜45分ほど余裕が生まれる計算です。

また、ゲームのような極端な高負荷をかけない限り、AI処理やカメラ性能もほぼそのまま使えます。
Qualcommの最新モデムが持つ省電力機構とも相性が良く、通信中の発熱スパイクを抑える意味でも合理的です。

結論として、海外渡航中は常時オンが基本戦略です。
性能を犠牲にしている感覚がほとんどないのに、確実に電池持ちと安定性を底上げできる――それがOne UI 8のライトパフォーマンスモードの実力です。

Deep Sleepが効かない原因:位置情報とバックグラウンド通信の落とし穴

「何もしていないのにバッテリーが減る」――その原因がDeep Sleepの不発です。Deep Sleepは、画面オフ時にCPUを極低電力状態へ移行させる仕組みですが、実際には特定の条件で簡単に妨げられます。

GoogleのIssue Trackerでも、端末が「100% awake(常時起動状態)」になる事例が報告されています。特に海外渡航時は、位置情報とバックグラウンド通信が引き金になりやすいです。

Deep Sleepを妨げる主な要因

要因 具体例 バッテリーへの影響
位置情報の高頻度取得 地図・配車アプリ、写真のジオタグ CPUが頻繁に起床しスリープに入れない
不安定なモバイル通信 弱電界でのデータ待受 通信再接続でウェイクロックが発生
古いAPIのアプリ 現地交通系・観光アプリ 再起動ループで常時バックグラウンド動作

特に厄介なのが位置情報です。ナビや配車アプリは数秒単位でGPSを取得し、そのたびに「Wake Lock」が発行されます。これはCPUに「眠らないで処理を続けて」という命令を出す仕組みです。

画面を消していても、裏側では端末が何度も叩き起こされている状態になります。これではDeep Sleepに入れません。

さらに海外では電波環境が不安定になりがちです。Android Authorityの解説でも触れられている通り、5Gやローミング環境では再接続や信号探索が増えます。

データ通信が一瞬途切れるたびにシステムが復帰処理を行い、その都度CPUが起動します。これもDeep Sleepを断続的に中断させる原因です。

「位置情報を常に許可」+「不安定な通信環境」の組み合わせは、Deep Sleepキラーです。

One UI 8では未使用アプリを自動制限する機能が強化されていますが、すべてを完璧に止められるわけではありません。とくに旅行中にインストールしたアプリは最適化が不十分なこともあります。

ライトユーザーほど「入れっぱなし・許可しっぱなし」になりがちです。それが気づかない電池消耗につながります。

対策はシンプルです。移動中だけ位置情報をオンにし、使わないアプリの「常に許可」を見直します。加えて、通信が不安定な場所では一時的に機内モードを使うのも有効です。

Deep Sleepが効かない原因は、設定ミスというより“過剰な許可”にあります。ほんの少しの見直しで、待機時のバッテリー持ちは大きく変わります。

セルスタンバイ問題の正体とRSRP・送信出力の関係

海外でスマホの電池が異常に減るとき、設定やアプリよりも先に疑うべきなのが「セルスタンバイ」です。これは画面を消して何もしていない間も、端末が基地局との接続を維持しようとして電力を使い続ける現象を指します。

とくに渡航先では電波環境が不安定になりやすく、このセルスタンバイが一気に悪化します。そのカギを握るのが、RSRPと送信出力の関係です。

電波状況 RSRPの目安 端末の送信出力(TX)
強い電波 -80dBm前後 低出力で安定
普通 -90〜-100dBm 状況に応じて増減
弱い電波 -110dBm以下 最大出力近くまで上昇

RSRPとは、基地局から届く電波の強さを示す指標です。数値が0に近いほど強く、マイナスが大きいほど弱いと考えるとわかりやすいです。

ここで重要なのは、RSRPが悪化するほど、スマホ側はより強い電波で「返事」をしようとするという点です。電波が弱い地下街や郊外では、端末は規定の最大送信出力に近いレベルまでパワーを引き上げます。

さらに圏外に近づくと、接続できる基地局を探すために全周波数帯を周期的にスキャンします。この探索動作と高出力送信が重なることで、待機中でもバッテリーが急激に減っていきます。

セルスタンバイの正体は「弱い電波環境での最大出力送信」と「繰り返されるネットワーク探索」です。

Androidの技術フォーラムやGoogleのIssue Trackerでも、電波が不安定な環境で端末がDeep Sleepに入らず、常時アクティブ状態になる事例が報告されています。つまり、問題はアプリではなく無線物理層にあることが多いのです。

海外では提携ローミング先の電波が弱い、建物の構造が日本と異なる、地下移動が多いといった要因が重なります。その結果、RSRPが慢性的に悪化し、送信出力が高止まりします。

ユーザーから見ると「何もしていないのに減る」という不可解な現象ですが、実際には端末が必死に通信を維持しようとしている状態です。特にデュアルSIM運用時は、片方が圏外判定になることでこの動作が裏で続くケースがあります。

電波が弱い=受信が悪いだけでなく、送信側の消費電力も跳ね上がるという点を理解すると、セルスタンバイ問題の本質が見えてきます。バッテリー対策の第一歩は、アプリ削除ではなく電波状況の改善や不要回線の停止にあるのです。

デュアルSIM運用の罠:日本SIMを有効にしたまま渡航するとどうなるか

デュアルSIMはとても便利ですが、設定を一歩間違えると気づかないうちにバッテリーを削り続ける「罠」になります。特に日本SIMを有効にしたまま海外へ渡航するケースは要注意です。

典型的なのは、日本のキャリアSIMを「着信用にON」、現地eSIMを「データ通信用にON」にするパターンです。一見スマートな運用ですが、日本SIM側が現地で正常にローミング接続できない場合、裏で深刻な問題が起きます。

日本SIMが「圏外」判定になると、端末はバックグラウンドで絶えず基地局を探し続けます。これがセルスタンバイによる電池消耗の正体です。

Androidのバッテリー統計に表示される「セルスタンバイ」は、何もしていない待受状態のように見えて、実際は最大送信出力での再接続試行や周波数スキャンを繰り返していることがあります。Android StackExchangeでも、この挙動が大きな電池消費要因になると指摘されています。

仕組みを整理すると、次のようになります。

状態 モデムの挙動 バッテリー影響
正常ローミング接続中 弱い出力で待受 小さい
圏外・接続失敗 最大出力で探索を繰り返す 非常に大きい

問題は、現地eSIMでデータ通信ができているため、ユーザーが日本SIMの「圏外状態」に気づきにくいことです。画面上は普通にネットが使えているのに、バッテリーだけが異様な速度で減っていきます。

さらにローミングでは、キャリアが特定の現地事業者への接続を優先させる「ローミング・ステアリング」が働くことがあります。T-Mobileの解説でも触れられている通り、弱い電波に固執すると端末側の送信出力が上がり、電池消耗が増えます。

つまり、日本SIMを有効にしているだけで、見えないところでモデムが全力疾走している可能性があるのです。

もし日本番号での着信が必須でないなら、渡航中は日本SIMをソフトウェア的にOFFにするのが最も確実です。それだけでセルスタンバイ問題は原理的に解消します。

デュアルSIMは便利な反面、「両方ONにしておけば安心」という発想が落とし穴になります。海外では特に、使っていない回線こそが最大の電池ドレイン源になると覚えておいてください。

ローミングとトラベルeSIMはどちらが省電力か

海外でスマホを使うとき、「ローミングとトラベルeSIM、どちらがバッテリーに優しいのか?」は気になるポイントです。結論から言うと、条件次第ですが、現地ローカル型eSIMのほうが省電力になりやすい傾向があります。

その理由は、モデムの動き方にあります。スマホは電波が弱いと、自動的に送信出力を上げたり、より強い基地局を探してスキャンを繰り返します。この「見えない電波探し」がバッテリー消費の正体です。

Android Authorityによれば、5Gやローミング環境では基地局探索やデュアル接続の影響で消費電力が増えるケースがあるとされています。つまり、どのネットワークにどう接続するかが省電力のカギになります。

項目 キャリアローミング トラベルeSIM(ローカル型)
接続先 提携先に優先接続 現地キャリアに直接接続
電波選択の自由度 制限される場合あり 比較的柔軟
電波が弱い場合 弱い提携先に粘る可能性 強い基地局を掴みやすい
バッテリー傾向 悪化することがある 安定しやすい

キャリアローミングでは「ローミング・ステアリング」という仕組みが使われます。これは自国キャリアが指定した現地ネットワークを優先的に使う制御です。

もしその優先ネットワークの電波が弱い場所にいると、スマホは弱い電波にしがみつきながら高出力で通信します。その結果、発熱と電池消耗が増えることがあります。

一方、現地キャリアのローカル型eSIMなら、基本的にその国のネットワークに直接接続します。強い電波を掴みやすく、無駄な再接続や探索が減るため、結果的にセルスタンバイ消費を抑えやすいです。

ただし注意点もあります。ローミング型のトラベルeSIMは構造上「海外発行SIMのローミング」となるため、ローミングと似た挙動をすることがあります。また、通信が他国を経由する設計の場合、ページ読み込みが遅くなり、画面点灯時間が伸びて間接的に電池を消費するケースも報告されています。

価格だけで選ぶと失敗しがちです。省電力を重視するなら「現地ローカル回線に直接つながるかどうか」が重要です。

ガジェットに詳しくなくても、判断はシンプルです。長時間の外出や移動が多い旅行では、できるだけ電波の強いネットワークを安定して掴める選択をすること。それが結果的にバッテリーを守る最短ルートになります。

通信プランを選ぶときは、料金やデータ容量だけでなく、「どのネットワークにどう接続するのか」という裏側まで少し意識してみてください。それだけで、1日の終わりのバッテリー残量が大きく変わってきます。

楽天モバイルは例外?Wi-Fi Callingと海外利用の実情

海外で日本の番号をそのまま使いたいとき、意外と大きな壁になるのがWi-Fi Callingの“海外制限”です。ドコモ・au・ソフトバンクの多くは、海外IPアドレスからのWi-Fi Calling接続をサーバー側でブロックしています。

そのため、現地Wi-FiやeSIMのデータ回線があっても、日本番号での着信待受ができないケースが一般的です。ここで例外的な立ち位置にいるのが楽天モバイルです。

キャリア 海外でのWi-Fi Calling 特徴
ドコモ / ahamo 不可 海外IPからの接続を制限
au / povo 不可 同様に海外利用は不可
ソフトバンク / LINEMO 不可 海外Wi-Fi経由は不可
楽天モバイル 可能 Rakuten Linkで発着信対応

楽天モバイルは「Rakuten Link」アプリ経由での通話を前提としており、Wi-Fiや他社eSIMのデータ通信さえあれば、海外でも日本の電話番号で発着信が可能です。公式情報でも100以上の国と地域で利用できると案内されています。

つまり、楽天は“回線としてのローミング”ではなく、“アプリベースのIP通話”を軸にしている点が大きな違いです。

バッテリー面でも実はメリットがあります。通常のローミング待受では、電波が弱い場所で端末が基地局を探し続け、「セルスタンバイ」による電池消耗が起きやすくなります。

しかしRakuten Linkを使い、モバイルデータを現地eSIMに任せる構成なら、日本側SIMを無効化することで無駄な電波探索を止められます。結果として、待受しながらも電池消費を抑えやすい運用が可能になります。

一方で注意点もあります。Rakuten Linkは標準の音声通話とは仕組みが異なり、アプリ経由での発着信になります。OSの省電力設定やバックグラウンド制限を強くかけすぎると、通知遅延が起きる可能性があります。

また、通話品質は接続しているデータ回線の安定性に依存します。地下鉄や混雑エリアでは音質が不安定になることもあります。

「海外でも日本番号を維持したい」「ローミング費用は抑えたい」「バッテリーも節約したい」――この3つを同時に満たしやすいのが楽天モバイルの強みです。

大手3キャリアと同じ感覚でWi-Fi Callingを期待すると肩透かしを食いますが、仕組みを理解して使えば、楽天は海外利用において実質的な例外的ポジションにあると言えます。

バッテリー最優先のおすすめ設定手順【4G固定・SIM無効化】

海外でとにかく電池を持たせたいなら、やるべきことはシンプルです。5Gを切って4Gに固定し、使わないSIMを無効化する。これだけで“見えない電波探し”によるバッテリー消耗を大きく止められます。

Android Authorityによれば、5Gは通信方式によっては4Gより消費電力が増えるケースがあります。特に多くの国で使われている5G NSA方式は、4Gと5Gを同時に維持するため、モデムが二重に動き続けます。移動中や電波が不安定な環境では、この差がじわじわ効いてきます。

4G固定が効く理由

設定 モデムの動き 電池への影響
5G有効(NSA) 4G+5Gを同時接続 消費が増えやすい
4G固定 4Gのみ接続 探索・発熱が減る

Galaxy S24(日本版はSnapdragon X75搭載)は高効率モデムを備えていますが、それでも不要な5G探索そのものを止めるのが最も確実です。

手順は、設定から「接続」→「モバイルネットワーク」→「ネットワークモード」を開き、「4G/3G/2G(自動接続)」を選びます。これで5Gは無効化されます。

次に重要なのがSIM管理です。海外でありがちなのが、日本SIMを有効にしたまま現地eSIMでデータ通信するパターンです。このとき日本SIMが圏外だと、バックグラウンドで基地局スキャンを繰り返します。いわゆるセルスタンバイ問題です。

データ通信できているのに電池が減る原因の多くは、圏外SIMの“常時電波探索”です。

対策は明快です。日本の番号での着信が不要なら、設定の「SIMマネージャー」から日本SIMをオフにします。物理的に抜かなくても、ソフトウェア的に無効化するだけで電波探索は止まります。

どうしても着信を維持したい場合でも、電池優先なら一時的に無効化する判断は合理的です。特に地下鉄や郊外など電波が弱い場所では、端末は最大出力近くで送信しようとします。受信信号が弱いほど送信電力が上がるというのは通信の基本仕様です。

4G固定+未使用SIMオフは、難しい知識がなくても実行できる最強の節電コンビです。速度よりも安定と持続時間を優先する旅では、この設定があなたの安心感を大きく底上げしてくれます。

PPS急速充電の正解とワイヤレス充電の注意点

Galaxy S24の急速充電をきちんと活かせている人は、実はそれほど多くありません。特に海外では充電環境が不安定になりがちなので、規格を正しく理解しておくことが安心につながります。

ポイントは、**「PPS対応かどうか」**です。Galaxy S24シリーズはUSB PDの中でもPPS(Programmable Power Supply)に対応した充電器でないと、本来の急速充電性能を発揮できません。

単に「45W」「100W」と書かれているだけでは不十分で、PPSに対応していない場合は15〜25W程度に制限されます。

項目 必要条件 満たさない場合
充電器 PPS対応USB PD 低速(15〜25W)に制限
ケーブル 5A対応(E-Marker内蔵) 45W動作不可

特にS24+やS24 Ultraの45W充電を使うには、**5A対応ケーブルが必須**です。3Aケーブルでは理論上60Wまで流せますが、Galaxy独自の高電流低電圧モードが有効にならず、結果として25W充電に落ちるケースがあります。

YouTubeの実測テストでも、同じ45W表記の充電器でもPPS対応かどうかで充電速度に明確な差が出ることが確認されています。

海外旅行では「現地のUSB-C充電器を借りる」場面もありますが、急速充電したいなら自前のPPS対応充電器を持参するのが安全です。

Galaxy S24で最速充電したいなら「PPS対応充電器+5Aケーブル」の組み合わせが絶対条件です。

一方でワイヤレス充電はどうでしょうか。2026年現在、Qi2が話題ですが、Galaxy S24本体はQi2をネイティブサポートしていません。Android Centralによれば、磁石付きケースを使っても内部的には標準Qi扱いになります。

そのためMagSafe対応充電器に吸着できても、充電速度は5〜7.5W程度にとどまることが多く、Samsung純正認証品でなければ15Wの高速ワイヤレス充電は発動しません。

さらに問題なのが発熱です。ワイヤレス充電は構造上、有線よりエネルギー損失が大きく、熱として逃げる割合が増えます。

Redditなどの実ユーザー報告でも「15W対応表示でも実際は5W動作」という事例が確認されており、旅行中のメイン充電手段としては効率が良いとは言えません。

特に海外では気温が高い地域も多く、端末温度が上がると充電速度が自動的に抑制されます。結果として「思ったより充電が進まない」という事態になりがちです。

結論として、移動中やホテルで短時間に回復させたいならPPS対応の有線充電が最適です。ワイヤレス充電はベッドサイドやデスク用の補助的な選択肢と考えるのが現実的です。

旅行では“速く確実に回復できるか”がすべてです。その意味でも、充電器選びはスペック表のワット数ではなく、規格の中身まで確認することが失敗しないコツです。

モバイルバッテリーは何mAhまでOK?IATA最新ルールと選び方

飛行機に乗るとき、モバイルバッテリーは何mAhまで持ち込めるのか不安になりますよね。実は基準はmAhではなくWh(ワット時)で決まっています。

IATA(国際航空運送協会)や各国航空当局のガイドラインによれば、リチウムイオン電池は安全上の理由から機内持ち込みに明確な上限があります。特に近年は発火事故対策として、容量表示が曖昧な製品へのチェックが厳格化されています。

まずは基本ルールを押さえておきましょう。

定格容量(Wh) 機内持ち込み 預け入れ
100Wh未満 申告不要で可(個数制限は航空会社規定) 不可
100~160Wh 事前承認で可(通常2個まで) 不可
160Wh超 不可 不可

ここで重要なのが、販売ページに書かれている「mAh」をWhに換算することです。一般的なモバイルバッテリーは3.7V換算なので、Wh=mAh×3.7÷1000で計算できます。

代表的な容量を当てはめると次のようになります。

10,000mAh ≒ 37Wh
20,000mAh ≒ 74Wh
26,800mAh ≒ 約99Wh
30,000mAh ≒ 約111Wh

つまり、市販で人気の10,000~20,000mAhクラスは問題なく持ち込み可能です。一方で30,000mAhクラスは100Whを超えるため、航空会社の事前承認が必要なゾーンに入ります。

注意したいのは「26,800mAhは理論上ギリギリOK」という点です。製品によっては実容量が100Whをわずかに超えている場合もあり、Wh表記が本体に明記されていないと保安検査で止められる可能性があります。IATAも容量表示の明確化を強く求めています。

モバイルバッテリーは必ず機内持ち込み。スーツケースへの預け入れは不可です。

では旅行用として何mAhを選ぶべきでしょうか。スマートフォン1台なら10,000mAhで約1.5回分の充電が目安です。重量も約180g前後と軽く、街歩き中心の旅行でも負担になりにくいです。

20,000mAhは安心感がありますが、350g前後とやや重くなります。ノートPCやタブレットも充電したい人向けです。

ライトユーザーの海外旅行なら、10,000~20,000mAh(100Wh未満)を選び、Wh表記が本体に明記された製品を選ぶのが安全で現実的な選択です。容量だけでなく「航空基準を満たしているか」まで確認することが、スムーズな渡航のコツです。

参考文献