Appleは1月21日、iOS 18およびiPadOS 18の採用率に関する最新データを公開した。全iPhoneの68%がiOS 18を使用しており、過去4年間に発売されたモデルではその割合は76%に達する。一方、全iPadの53%がiPadOS 18を利用しており、過去4年間のモデルに限れば63%に上昇するなど、いずれも小幅な増加にとどまっている。
この変化の背景には、Appleが搭載する生成AI「Apple Intelligence」機能への関心が一定の影響を与えている可能性がある。同機能は最新ベータ版iOS 18.3でデフォルト有効化され、リリース後の普及動向が注目される。ただし、AI利用者数や具体的な影響についてAppleは言及していない。
リリースの際の設定変更に関する仕様や、今後の普及促進策に注目が集まる中、Appleの取り組みがどのように市場に反映されるのかが問われている。
iOS 18の採用率が示すユーザー動向の変化
Appleが公開したデータによると、全iPhoneの68%がiOS 18を使用している。この採用率は過去4年間に発売されたモデルでは76%に達し、最新のハードウェアほど新しいOSを取り入れる傾向が顕著であることが示唆される。
この背景には、Appleの新機能への期待や最新モデルの販売促進策が影響している可能性がある。一方で、依然として全体の3割以上のユーザーが旧バージョンを利用しており、この割合は過去数年で大きく変わっていない。この状況から、Apple製品ユーザーがOSアップデートを行う際の慎重さが見て取れる。
特に、過去のiOSアップデートにおける不具合報告やデバイスの性能低下への懸念が影響を及ぼしている可能性がある。こうした現象は、技術の進化と利用者の保守的な姿勢との間のバランスを象徴しているといえる。
Apple Intelligenceの普及がもたらす可能性
生成AI「Apple Intelligence」がiOS 18の採用率向上に寄与している可能性が指摘されている。この機能は、最新のiOS 18.3ベータ版でデフォルト設定として有効化され、従来よりも多くのユーザーに利用される環境が整えられている。
特に、セットアップ時の操作が簡略化されたことが新規ユーザーの増加につながった可能性がある。しかし、Appleはこの機能の具体的な利用者数や効果について言及しておらず、普及の実態は不透明な部分も多い。
一部では、AIに依存する形での個人情報の取り扱いやセキュリティに対する懸念が取り沙汰されている。今後、この機能が利用者の体験価値をどれだけ向上させるのか、またそれが採用率にどう影響を与えるのかが注目される。
iPadOSの停滞と今後の課題
全iPadの53%、過去4年間のモデルに限れば63%がiPadOS 18を利用しているが、その伸び率はわずかである。この結果は、iPadがiPhoneに比べて新機能の普及に時間がかかる製品カテゴリであることを示している。
特に、iPhoneと異なり、iPadは家庭や教育機関での利用が多く、OSアップデートの優先度が低いと考えられる。さらに、iPadOSの進化がiPhoneのiOSと比較して相対的に限定的である点も影響しているとみられる。
新しいハードウェア機能がOSに密接に結びついているiPhoneとは異なり、iPadでは新機能の導入が控えめであることが、アップデートを後回しにする傾向を助長している可能性がある。Appleは、こうした課題を踏まえ、iPadOSの魅力をいかに高めていくかが問われる局面にあるといえる。
Source:Engadget