「最近Galaxy S23が熱い…」「充電しながら使うとカクつく」そんな悩みはありませんか。
発売から約3年が経過した今でも、Galaxy S23はSnapdragon 8 Gen 2 for Galaxyの高い完成度により十分現役で使える性能を持っています。しかし、バッテリーの経年劣化や日本の猛暑環境によって、発熱やパフォーマンス低下が起きやすくなっているのも事実です。
特に“ながら充電”は、バッテリーとSoCの両方が同時に発熱するため、内部温度が40℃を超えやすく、劣化を加速させる原因になります。そこで注目したいのが、Samsung公式の「Pause USB Power Delivery(バイパス給電)」機能です。
本記事では、リチウムイオン電池の劣化メカニズムから、実測データに基づく温度差、PPS充電器の選び方、ゲーム以外への応用方法までをわかりやすく整理します。2027年のOSサポート終了まで快適に使い切りたい方に向けて、科学的かつ実践的な運用方法を徹底解説します。
- 2026年でもGalaxy S23は現役?再評価される理由
- なぜスマホは熱くなる?リチウムイオン電池の劣化と発熱の仕組み
- “ながら充電”が最も危険な理由と日本の猛暑リスク
- Pause USB Power Delivery(バイパス給電)とは何か
- 通常充電との温度差は約8℃?実測データで見る効果
- 失敗しないための条件:PPS充電器とバッテリー残量20%ルール
- ゲーム以外でも使える?Web会議・ナビ・テザリングへの応用
- Samsung DeXで“バッテリーレスPC化”する方法
- ライトパフォーマンスモードとThermal Guardianで多層防御
- 修理費はいくら?バッテリー寿命を延ばす経済メリットとサポート期限
- 参考文献
2026年でもGalaxy S23は現役?再評価される理由
2026年でもGalaxy S23は本当に現役なのでしょうか。結論から言えば、使い方さえ最適化すれば、いまでも十分に戦える一台です。
その理由の中心にあるのが、Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxyという完成度の高いチップです。TSMCの4nmプロセスで製造されたこのSoCは、発熱と電力効率のバランスに優れ、発売から3年経った現在でも実効性能が安定しています。
PhoneArenaの検証でも、S23世代は従来モデルに比べてスロットリングが起きにくい設計であると報告されました。ピーク性能だけでなく「持続性能」が高い点が、再評価のポイントです。
| 項目 | Galaxy S23(2023) | 2026年ミドルレンジ例 |
|---|---|---|
| チップ | Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy | 最新ミドル向けSoC |
| 製造プロセス | 4nm(TSMC) | 4〜6nm世代 |
| 実効性能 | 高負荷でも安定 | 長時間で制限が出やすい |
特にライトユーザーにとって重要なのは、ベンチマークの数値よりも体感です。SNS、動画視聴、Web閲覧、地図アプリといった日常用途では、S23は2026年基準でも十分快適です。
一方で、3年という時間は無視できません。リチウムイオン電池は充放電を繰り返すことで劣化します。ResearchGateに掲載されたスマートフォン電池の診断研究でも、内部抵抗の増加が発熱や持続時間低下につながると指摘されています。
つまり、S23が「型落ち」だから厳しいのではなく、バッテリーの経年変化と熱管理こそが2026年運用の分かれ道なのです。
ここで再評価されているのが、Galaxy S23に搭載された「Pause USB Power Delivery」機能です。Samsung公式サポートによれば、この機能は充電を一時停止し、外部電源から直接システムへ給電する仕組みです。
充電しながらゲームや動画視聴をすると、本体は「充電熱」と「処理熱」の二重負荷にさらされます。しかし給電分離を使えば、バッテリーへの負担を抑えながら動作できます。
さらに、Galaxy S23シリーズは4世代のOSアップデートと5年間のセキュリティ更新が保証されています。endoflife.dateやSamMobileの情報をもとにすると、Android 17世代まで到達予定で、セキュリティ更新は2028年頃まで継続見込みです。
最新AI特化モデルと比べればNPU性能では劣りますが、日常用途では大きな差を感じにくいのが実情です。むしろ価格が落ち着いた今こそ、コストパフォーマンスの高さが際立ちます。
2026年でもGalaxy S23が現役といえる理由は明確です。高い持続性能、洗練された熱設計、そして賢く使えば延命できるバッテリー管理機能。この三拍子がそろっているからこそ、いま再び評価されているのです。
なぜスマホは熱くなる?リチウムイオン電池の劣化と発熱の仕組み

スマホが熱くなる最大の理由は、内部にあるリチウムイオン電池そのものが発熱源になるからです。特に発売から数年が経過した端末では、バッテリーの劣化によって発熱しやすい状態になっています。
リチウムイオン電池は、充電と放電のたびに内部で化学反応が起きています。その過程で電解液が分解され、負極の表面にSEI(固体電解質界面)と呼ばれる被膜が形成されます。
このSEIは本来バッテリーを安定させる役割を持ちますが、高温や満充電付近の状態が続くと過剰に成長し、内部抵抗が上昇します。学術研究でも、内部抵抗の増加が容量低下と発熱増大に直結すると報告されています。
| 状態 | 内部抵抗 | 発熱傾向 |
|---|---|---|
| 新品に近い | 低い | 発熱は小さい |
| 劣化が進行 | 高い | 同じ電流でも熱が増える |
内部抵抗が高まった電池に電流を流すと、ジュール熱の法則により電流の二乗に比例して熱が増えます。つまり、以前は問題なかった充電でも、劣化後はより熱く感じるようになります。
さらに注意したいのが「ながら充電」です。充電中はバッテリーへ電力が流れ込み、同時に動画視聴やゲームでCPUやGPUも発熱します。
このときスマホ内部では、充電回路と演算処理という二つの熱源が同時に稼働します。筐体内で熱が干渉し合い、局所的なホットスポットが生まれやすくなります。
海外のユーザーレポートでも、外気温25℃程度でも内部温度が40℃近くに達するケースが報告されています。バッテリー化学の観点では、40℃を超える環境での充電は劣化を加速させると指摘されています。
高温状態が続くと、リチウムイオンが負極に正常に取り込まれず、金属リチウムとして析出するリスクも高まります。これがデンドライトと呼ばれる針状結晶に成長すると、内部短絡の原因になります。
もちろん通常使用で直ちに危険になるわけではありませんが、熱と高電圧状態が重なることは、バッテリー寿命にとって確実にマイナスです。
日本の夏のように外気温が35℃前後になる環境では、もともとの放熱余裕がほとんどありません。そこに充電の熱が加わると、スマホは安全のため性能を落とす「サーマルスロットリング」を発動します。
結果として「最近スマホがすぐ熱くなる」「充電しながらだと重くなる」と感じるわけです。これは故障ではなく、劣化したリチウムイオン電池と熱の物理法則が生む必然的な現象です。
スマホの発熱問題は、単なるスペック不足ではありません。バッテリーの化学的な経年変化と、熱が加速させる劣化の連鎖を理解することが、正しい対策への第一歩になります。
“ながら充電”が最も危険な理由と日本の猛暑リスク
スマホを充電しながら動画を観たり、ゲームをしたりする「ながら充電」。実はこれが、バッテリーにとって最も過酷な使い方のひとつです。
その理由はシンプルで、充電による発熱と、使用による発熱が同時に発生するからです。内部では“熱の二重苦”が起きています。
とくに発売から年数が経った端末では、バッテリー内部の抵抗が上がりやすく、同じ電流でも以前より多くの熱を出してしまいます。
| 状態 | 主な熱源 | 内部温度の傾向 |
|---|---|---|
| 通常使用のみ | CPU・GPU・通信 | 約30〜40℃前後 |
| 充電のみ | 充電回路・バッテリー | 約35〜40℃前後 |
| ながら充電 | 上記すべて | 40℃超えに到達しやすい |
リチウムイオン電池は熱に弱い特性があります。電池内部ではSEI被膜と呼ばれる層が形成されますが、高温や満充電付近の状態が続くとこの層が過剰に成長し、内部抵抗が上昇すると報告されています。ResearchGateに掲載されたバッテリー診断研究でも、温度上昇が劣化を加速させる要因として指摘されています。
内部抵抗が上がると、ジュール熱の法則により発熱量はさらに増えます。つまり、熱が劣化を呼び、劣化がさらに熱を生むという悪循環に入ってしまうのです。
さらに注意したいのが、日本の猛暑です。近年は35℃を超える日が珍しくなく、スマホはファンを持たない自然空冷設計のため、外気温が高いほど冷却効率が落ちます。
たとえば室温25℃なら内部温度が40℃に達するまである程度の余裕がありますが、外気温35℃ではアイドル状態でも内部は約38℃前後に達します。そこへゲームや動画視聴、そして充電が重なると、50℃近くまで上昇するケースも報告されています。
40℃を超える充電環境は、バッテリー劣化を指数関数的に早めるとされており、海外のバッテリー運用ガイドでも高温充電の回避が強く推奨されています。
特に危険なのは、夏の車内や屋外でのモバイルバッテリー充電です。直射日光下のダッシュボード周辺は短時間で高温になり、そこに「使用+充電」が重なると、サーマルスロットリング(性能制限)や充電停止が即座に発動します。
ライトユーザーほど「少しだけだから大丈夫」と考えがちですが、日々の積み重ねがサイクル劣化を早めます。特に発売から3年近い端末では、内部抵抗の上昇により発熱しやすい状態にある可能性が高いです。
快適に長く使うためには、真夏の充電環境を甘く見ないことが重要です。充電中はできるだけ高負荷アプリを避けるだけでも、バッテリーへのダメージは大きく変わります。
Pause USB Power Delivery(バイパス給電)とは何か

Pause USB Power Delivery(いわゆるバイパス給電)とは、充電しながら使ってもバッテリーを経由させないための仕組みです。通常は、コンセントからの電力がいったんバッテリーに入り、そこから本体へ供給されます。しかしこの機能を有効にすると、電力はバッテリーを通らず、SoCやディスプレイなどへ直接届けられます。
つまり「充電しながら使う」のではなく、「外部電源で直接動かす」イメージに近いです。Samsungの公式サポート情報でも、Game Booster内の機能として、USB PD給電を一時停止できると説明されています。
通常充電との違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 通常の充電利用 | Pause USB PD有効時 |
|---|---|---|
| 電力の流れ | 充電→バッテリー経由→本体 | 外部電源→本体へ直接 |
| バッテリー反応 | 充電・化学反応あり | 充放電ほぼ停止 |
| 発熱源 | 本体+充電回路 | 主に本体のみ |
最大のポイントは、バッテリー由来の発熱がほぼなくなることです。リチウムイオン電池は充電時に内部抵抗によるジュール熱が発生します。ResearchGateに掲載されたスマートフォン電池の診断研究でも、内部抵抗の増加が発熱と劣化を招く要因であると示されています。
バイパス給電ではその充電電流自体を止めるため、発熱の一因を物理的に切り離せます。PCMagの検証でも、対応機種ではゲーム中の温度上昇が抑えられると報告されています。
ただし、いつでも使えるわけではありません。USB PDの中でもPPS(Programmable Power Supply)対応充電器が必要で、さらにバッテリー残量が20%以上あることが条件です。これは突然ケーブルが抜けた場合でも安全に動作を続けるための設計です。
ライトユーザーの方にとっては難しく感じるかもしれませんが、考え方はシンプルです。自宅でゲームや動画編集、長時間のWeb会議をするなら、対応充電器につないで本体を“外部電源駆動”にするだけです。それだけで発熱を抑え、バッテリーの消耗サイクルも減らせます。
充電しながら使うのが当たり前だったスマホ運用に対して、Pause USB Power Deliveryは「熱を増やさないための構造的アプローチ」です。発熱と劣化を切り離す、この一点にこそ最大の価値があります。
通常充電との温度差は約8℃?実測データで見る効果
では実際に、通常充電とバイパス給電でどれほど温度が変わるのでしょうか。理屈だけでなく、実測データを見るとその差は想像以上です。
海外メディアPCMagや複数のレビュー検証によれば、高負荷ゲームを起動しながら通常の急速充電を行った場合、筐体表面温度は40〜43℃前後まで上昇します。
一方、「Pause USB Power Delivery」を有効にした場合は32〜35℃程度に抑えられたという報告があります。この差はおよそ8℃です。
| 条件 | 表面温度 | 体感 |
|---|---|---|
| 通常充電+高負荷 | 40〜43℃ | かなり熱い |
| バイパス給電+高負荷 | 32〜35℃ | やや温かい程度 |
この8℃という数字は小さく見えるかもしれませんが、スマートフォンの熱設計においては決定的です。バッテリー温度が40℃を超えると劣化が加速することは、電池工学分野の研究でも広く知られています。
リチウムイオン電池は温度上昇に伴い内部抵抗が変化し、副反応も増えます。ResearchGateに掲載されたスマートフォン電池の診断研究でも、高温環境下では容量低下が進みやすいことが示されています。
つまり「40℃を超えるかどうか」が長期寿命の分岐点になりやすいのです。
さらに重要なのは、消費電力そのものの違いです。通常充電しながらゲームをすると、システム消費電力に加えて充電分の電力も流れ込み、合計で20W以上になるケースがあります。
対してバイパス給電では、システムが必要とする約4〜6W前後のみの供給に抑えられるため、発生する熱も比例して減少します。電力が減る=発熱源が減るというシンプルな構図です。
この結果、サーマルスロットリングの発動タイミングにも差が出ます。通常充電では数分でフレームレートが低下する場面でも、バイパス給電では安定動作が続きやすいという報告もあります。
特に日本の夏場では、室温自体が30℃を超えることも珍しくありません。そこに充電熱が加わると、あっという間に危険域へ達します。
だからこそ、実測で確認されたこの温度差は大きな意味を持ちます。数字で見ると、バイパス給電の効果ははっきりと証明されています。
発熱を抑えながら快適に使い続けたいライトユーザーこそ、この8℃の違いを意識して運用を見直す価値があります。
失敗しないための条件:PPS充電器とバッテリー残量20%ルール
Galaxy S23でバイパス給電を確実に使いこなすために、絶対に外せない条件が2つあります。それがPPS対応充電器の使用とバッテリー残量20%以上の維持です。
どちらか一方でも満たしていないと、「USB PD給電を一時停止」の項目は有効になりません。ここを理解していないと「設定が出てこない」「機能しない」と混乱してしまいます。
PPS対応充電器が必須な理由
Samsung公式サポートによれば、「Pause USB Power Delivery」はUSB PDの中でもPPS(Programmable Power Supply)規格に対応した充電器が前提条件です。PPSは電圧と電流を細かく可変制御できる仕組みで、システムへ安定的に直接給電するために不可欠です。
一般的なPD充電器や“急速充電対応”と書かれているだけの製品では、電圧制御の粒度が足りず、バイパス給電が有効にならないケースがあります。
| 充電器の種類 | バイパス給電 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| USB PDのみ対応 | 不可の場合あり | PPS表記がない |
| USB PD+PPS対応(25W以上) | 利用可能 | 仕様欄に「PPS対応」と明記 |
純正の25WトラベルアダプタはPPSに対応しています。サードパーティ製を選ぶ場合も、スペック表にPPS対応と明記されているか必ず確認してください。
なぜ20%以上必要なのか
もうひとつの条件が、バッテリー残量20%以上です。これは単なる制限ではなく、安全設計です。
バイパス給電中はバッテリーが充電も放電もしない“待機状態”になります。もしケーブルが抜けた瞬間に残量が極端に少なければ、端末は即シャットダウンしてしまいます。
そのリスクを避けるため、Samsungは最低20%という安全マージンを設けています。Redditの技術検証報告でも、20%未満ではトグルが自動的に無効化される挙動が確認されています。
特にゲームやナビ利用前に接続する場合は、30〜50%程度でつなぐ習慣をつけると安心です。これなら万一ケーブルが外れても、バッテリー駆動に即座に切り替わります。
この2条件を守るだけで、発熱は約8℃前後低下するケースも報告されています。温度差はサーマルスロットリング発動の分かれ目になります。
PPS対応充電器を選ぶこと、そして常に20%以上を意識すること。このシンプルなルールが、Galaxy S23を長く快適に使うための分水嶺になります。
ゲーム以外でも使える?Web会議・ナビ・テザリングへの応用
「Pause USB Power Delivery」はゲーム専用の裏ワザと思われがちですが、実はWeb会議・カーナビ・テザリングといった日常用途でも大きな効果を発揮します。
特に画面を長時間点灯し、通信を継続するアプリは発熱しやすく、日本の夏場では顕著にパフォーマンスが落ちやすい場面です。
ここではライトユーザーでも実践しやすい活用法を具体的に解説します。
なぜゲーム以外でも効果があるのか
ZoomやTeamsなどのWeb会議は、カメラ・マイク・通信モデム・画面表示を同時に動かします。Google MapsのナビはGPSと通信、画面常時点灯が前提です。
さらに5Gテザリングはモデムが高負荷で稼働し続けるため、本体は小型ルーターのような状態になります。
海外ユーザーフォーラムでも、これらの用途で40℃前後に達するという報告が複数見られます。
| 利用シーン | 主な発熱要因 | バイパス給電の効果 |
|---|---|---|
| Web会議 | カメラ+通信+画面常時表示 | 充電熱を排除し温度上昇を抑制 |
| カーナビ | GPS+通信+高輝度表示 | 真夏の車内での過熱リスク低減 |
| テザリング | 5G通信の持続負荷 | バッテリー劣化の抑制 |
通常の「ながら充電」では、これらのシステム発熱に加えて充電由来の熱が重なります。
Samsung公式サポートによれば、Pause USB Power Delivery有効時はバッテリー充電を停止し、外部電源から直接システムへ給電します。
つまり“熱源を一つ減らす”ことができるのです。
非ゲームアプリで使う方法
ポイントは「Gaming Hub」にアプリを手動登録することです。Reddit上でも共有されている方法で、ZoomやGoogle Mapsなどを追加できます。
Gaming Hubから該当アプリを起動するとGame Boosterが有効になり、USB PD給電の一時停止をONにできます。
PPS対応充電器を使い、バッテリー残量20%以上を確保しておくことが前提条件です。
例えば外気温35℃の環境では、充電熱が加わるだけでスロットリングに到達しやすくなります。
バイパス給電ならシステム発熱のみに集中できるため、動作停止や充電制限に追い込まれにくくなります。
テザリング用途でも、バッテリーの充放電サイクルを消費しない点は長期的に大きなメリットです。
ゲームをしないライトユーザーこそ、Web会議やナビなどの“生活インフラ用途”でこの機能を活用する価値があります。
スマホを酷使しながらも寿命を延ばす――その両立を実現できるのが、この応用テクニックです。
Samsung DeXで“バッテリーレスPC化”する方法
Galaxy S23を本気で“PC代わり”に使いたいなら、Samsung DeXと「Pause USB Power Delivery」の組み合わせは外せません。
この設定を正しく行うことで、**バッテリーを消耗させずに動かす“バッテリーレスPC化”**が実現できます。
特に長時間作業するライトユーザーにとって、発熱と劣化を同時に抑えられるのが大きなメリットです。
通常、スマホを充電しながら使うと、システム動作の発熱に加えてバッテリー充電の発熱が上乗せされます。
しかしSamsung公式サポートでも解説されている通り、Pause USB Power Deliveryを有効にすると、外部電源からの電力がバッテリーを経由せずシステムへ直接供給されます。
つまり、バッテリーは充電も放電もしない“待機状態”になり、劣化要因を大幅に減らせます。
DeX利用時の違いは次の通りです。
| 項目 | 通常給電 | バイパス給電 |
|---|---|---|
| 電力の流れ | 電源→バッテリー→本体 | 電源→本体(直結) |
| バッテリー劣化 | 進行する | ほぼ進行しない |
| 発熱傾向 | 高め | 低めで安定 |
実際、技術検証では通常充電時よりも消費電力と筐体温度が明確に低下する傾向が報告されています。
温度差が数℃変わるだけでサーマルスロットリングの発動条件に影響するため、**長時間のドキュメント作成やブラウジングでも動作が安定しやすくなります。**
ノートPCの代わりに数時間作業する場合、この差は体感レベルで効いてきます。
設定のポイントは3つだけです。
PPS対応の25W以上の充電器を使うこと、バッテリー残量を20%以上に保つこと、そしてDeX使用中にGame Booster経由で機能を有効にすることです。
条件を満たさないと自動で無効化されるため、ここは確実に押さえておきましょう。
この運用を続ければ、例えば1日8時間の在宅ワークをしてもバッテリーの充放電サイクルはほぼ消費されません。
リチウムイオン電池は高温と高電圧状態で劣化が加速することが電池研究でも広く知られていますが、そのリスクを構造的に避けられるわけです。
結果として、スマホを“持ち歩けるデスクトップ”として使いながら、バッテリー寿命も守れます。
モニター、キーボード、マウスをつなげば、あとは電源につなぎっぱなしでOKです。
ノートPCを開かなくても、Web閲覧、資料修正、メール対応程度なら十分こなせます。
ライトユーザーこそ、この“バッテリーレスPC化”の恩恵を最も実感できるはずです。
ライトパフォーマンスモードとThermal Guardianで多層防御
バイパス給電が使えない場面でも、発熱を抑える手段は残されています。その中心となるのがライトパフォーマンスモードとThermal Guardianです。ハードとソフトを組み合わせた「多層防御」によって、S23の温度上昇を根本からコントロールできます。
まずはライトパフォーマンスモードです。これは一般的な省電力モードとは異なり、リフレッシュレート120Hzを維持したまま、SoCの最大クロックと電圧をわずかに抑える設計になっています。体感の滑らかさを保ちつつ、発熱源そのものを減らすアプローチです。
ベンチマークではスコアが約10〜20%低下する例が報告されていますが、Web閲覧やSNS、動画視聴では差を感じにくいのが実情です。一方で消費電力が下がるため、長時間使用時の筐体温度は確実に安定します。
| 項目 | 標準モード | ライトパフォーマンス |
|---|---|---|
| リフレッシュレート | 最大120Hz | 最大120Hz維持 |
| 最大クロック | フル性能 | やや抑制 |
| 体感操作感 | 滑らか | ほぼ同等 |
| 発熱傾向 | 高負荷時に上昇 | 上昇しにくい |
興味深いのは、発熱が抑えられることでサーマルスロットリングが起きにくくなり、結果として平均フレームレートが安定するケースがある点です。Samsung Communityなどでも、標準モードより安定したという報告が見られます。
さらに踏み込むなら、Good Guardians内のThermal Guardianが有効です。このアプリでは、スロットリングが始まる温度の閾値を±2℃の範囲で調整できます。つまり「どの温度でブレーキをかけるか」を自分で決められるのです。
バッテリー研究では、高温状態での動作が劣化を加速させることが知られています。MDPIの電池熱管理レビューでも、温度管理が寿命延伸の鍵と指摘されています。閾値をやや低めに設定しておけば、性能を少し早めに抑える代わりに、内部温度のピークを下げられます。
また、Thermal Guardianには発熱アプリの監視機能もあります。バックグラウンドでCPUを占有しているアプリを可視化できるため、知らないうちに温度を押し上げている要因を特定できます。
充電環境に依存しないこれらの設定は、通勤中や外出先でも効果を発揮します。S23を長く快適に使い続けたいライトユーザーこそ、まずはこのソフトウェア側の防御を整えておく価値があります。
修理費はいくら?バッテリー寿命を延ばす経済メリットとサポート期限
長く使ううえで気になるのが、いざ故障したときの修理費と、あと何年安心して使えるのかという点です。とくにバッテリーは消耗品なので、経済的な視点での判断が重要になります。
2026年時点の国内修理価格を見ると、負担は決して小さくありません。実際の修理店価格の一例は次の通りです。
| 修理内容 | 目安費用(税込) | 負担感 |
|---|---|---|
| バッテリー交換 | 約10,800円前後 | 中程度 |
| 画面交換 | 約46,800円前後 | 高額 |
バッテリー交換は1万円前後ですが、画面まで損傷すると一気に高額になります。だからこそ、バッテリーの劣化を遅らせること自体が最大の節約策になります。
リチウムイオン電池は一般に500〜800回の充放電で容量が約80%まで低下するとされます。電池研究やバッテリー診断に関する論文でも、高温環境での充電は劣化を加速させると報告されています。真夏の車内や、発熱しやすい使い方を続けると、体感的な電池持ちは想像以上に早く落ちます。
たとえば毎日フル充電を繰り返す使い方では、1.5〜2年ほどで明確な劣化を感じるケースもあります。一方で、発熱を抑えつつサイクル消費を減らす運用をすれば、理論上は3年以上良好な状態を維持できる可能性があります。
1回のバッテリー交換を回避できれば、約1万円の直接節約に加え、データ移行や修理期間の手間もゼロにできます。
さらに重要なのがソフトウェアサポート期限です。Galaxy S23シリーズは発売時に「4世代のAndroid OSアップデート」と「5年間のセキュリティアップデート」が保証されました。実績と公表情報に基づけば、OSはAndroid 17まで、セキュリティ更新は2028年初頭頃まで続く見込みです。
つまり2026年時点では、まだ最新OSの恩恵を受けられる期間内にあります。ハードウェアを丁寧に使えば、サポート終了まで安心して使い切れるポテンシャルがあるということです。
また、バッテリー状態が良好な端末は中古市場での評価も下がりにくい傾向があります。サポート期間内かつ電池持ち良好という条件は、リセール時の価格にも直結します。
修理費を払う前提で使うか、劣化を抑えて寿命を延ばすか。この選択が、トータルコストに数万円単位の差を生みます。バッテリー寿命を延ばす工夫は、性能維持だけでなく、家計にもやさしい合理的な戦略です。
参考文献
- Samsung Gulf:What is Pause USB Power Delivery feature and how to use it?
- Android Authority:Samsung’s bypass charging feature: What is it and which phones have it?
- PCMag:Samsung Included a Charging Bypass Feature for Gamers on Galaxy S23 Phones
- ResearchGate:Full Charge Capacity and Charging Diagnosis of Smartphone Batteries
- SamMobile:How many updates will the Samsung Galaxy S23 series get?
- スマホ修理王:Galaxy S23 Ultra 修理
