2025年のスマートフォン市場に、新たなミッドレンジモデルとしてNothing Phone 3aとiPhone 16eが登場した。

Nothing Phone 3aはMWC 2025で発表され、50MPの3眼カメラと120Hz対応の6.77インチAMOLEDディスプレイを備え、価格は約5.5万円と手頃な設定だ。一方、iPhone 16eはAppleの最新エントリーモデルであり、A18 Bionicチップを搭載し、IP68防水に対応するが、シングルカメラ仕様で価格は約10万円と高め。

カメラ性能、プロセッサー、ディスプレイ仕様、AI機能、防水性能など多岐にわたるポイントを比較し、それぞれの特長を明らかにする。果たして、どちらが優れた選択肢となるのか。

Nothing Phone 3aとiPhone 16eのカメラ性能を比較 3眼か高性能単眼か

Nothing Phone 3aとiPhone 16eの最大の違いのひとつがカメラ構成だ。Nothing Phone 3aは50MPのメインカメラに加え、50MPの望遠カメラ、8MPの超広角カメラを搭載する3眼仕様となっている。一方、iPhone 16eは48MPの単眼カメラを採用しており、「2-in-1フュージョンレンズ」として12MPの望遠機能を兼ね備える。

Nothing Phone 3aのカメラは、ハードウェアだけでなく「TrueLens Engine 3」と呼ばれる高度なアルゴリズムを活用することで、プロ仕様の写真撮影が可能とされている。これにより、シーンに応じたAI処理やマルチフレーム技術を駆使し、よりリアルな色彩やディテールの表現を実現するという。対するiPhone 16eは、シングルカメラながら最大10倍のデジタルズームを搭載し、Appleの画像処理技術によって細部までクリアな撮影を可能にしている。

複数のレンズを活用するNothing Phone 3aと、単眼ながら高精度な処理を行うiPhone 16e。どちらのカメラが優れているかは、実際の使用環境や撮影スタイルによって変わる。広角・望遠の自由度を重視するならNothing Phone 3a、高度なソフトウェア処理による一貫した画質を求めるならiPhone 16eが有力な選択肢となるだろう。

パフォーマンスの違い Snapdragon 7s Gen 3とA18 Bionicの実力

プロセッサーの違いも、Nothing Phone 3aとiPhone 16eを比較するうえで重要なポイントだ。Nothing Phone 3aはQualcommのSnapdragon 7s Gen 3を搭載し、ゲームや日常の操作がスムーズに行える性能を持つ。一方、iPhone 16eはAppleのA18 Bionicを採用し、ハイエンドモデルにも匹敵する処理能力を備えている。

Snapdragon 7s Gen 3は、前世代よりも省電力性が向上し、エネルギー効率の良い動作が期待できる。ただし、フラッグシップモデルに搭載されるSnapdragon 8シリーズと比べると、処理能力ではやや劣る面もある。一方、A18 BionicはiPhone 16シリーズ共通のチップとして登場しており、上位モデルのA18 Proには及ばないものの、前世代のA17と比較しても十分な性能向上が見られる。

一般的なスマートフォンの用途では、両モデルとも快適に動作するが、ゲームや動画編集など負荷のかかる作業では差が出る可能性がある。特に、A18 Bionicはシングルコア・マルチコアともに高いパフォーマンスを誇り、長期間にわたって安定した動作が期待できる。一方で、Nothing Phone 3aは価格を考慮すればコストパフォーマンスに優れており、ハードな使用を想定しなければ十分な処理能力を発揮するだろう。

ディスプレイ・防水性能・AI機能 総合的に見た違い

Nothing Phone 3aとiPhone 16eは、ディスプレイサイズや防水性能、AI機能においても明確な違いがある。まず、ディスプレイはNothing Phone 3aが6.77インチのAMOLEDパネル、iPhone 16eが6.1インチのSuper Retina XDRパネルを採用。Nothing Phone 3aは120Hzのリフレッシュレートと3000ニットのピーク輝度を実現し、滑らかな操作感と高い視認性を確保している。一方、iPhone 16eのディスプレイは60Hzで、ピーク輝度は1200ニットにとどまるが、Appleならではの色調整技術によって鮮やかな映像表現が可能だ。

防水性能では、iPhone 16eがIP68規格に対応し、一定の水深でも耐久性を発揮する。一方、Nothing Phone 3aはIP64にとどまり、防塵性能はあるが水に対する耐久性は限定的だ。これにより、水辺での使用や突然の雨など、耐久性が求められるシーンではiPhone 16eの方が安心感がある。

AI機能についても、iPhone 16eは「Apple Intelligence」による高度な画像生成やSiriの強化が特徴。一方、Nothing Phone 3aは「Essential Space」や「Essential Key」など独自の機能を搭載し、より直感的な操作を可能にしている。これらの違いを踏まえると、Nothing Phone 3aは大画面と滑らかな操作性を求める人に、iPhone 16eは防水性とAI機能を重視する人に適していると言える。

Source:Trusted Reviews