AMDの新型グラフィックカード、Radeon RX 9070シリーズの価格が正式発表前にMicro Centerで一時的にリークされた。最安モデルはRX 9070が649.99ドル、RX 9070 XTが699.99ドルとされている。しかし、これらの価格が公式発表時に変更される可能性もあり、AMDは従来の噂を否定しているため確定情報とは言えない。
リーク価格が事実ならば、RX 9070 XTはNvidiaのRTX 5070 Ti(749ドル)と同水準になり、通常版RX 9070はRTX 5070(549ドル)を大きく上回る。これにより、価格に見合う性能が発揮されるかどうかが注目される。加えて、AMDはリファレンスカードを一般向けに販売しない可能性が高く、AIBパートナー製のモデルのみが市場に流通する見込みだ。
NvidiaのBlackwell GPUに対抗する形となるRX 9070シリーズだが、初期のリークベンチマークではRX 9070 XTがRTX 4070 Superと同等レベルとされ、RTX 5070 Tiより約28%劣るという結果も出ている。実際の性能と価格のバランスがどのようになるのか、正式発表が待たれる。
RX 9070シリーズの価格は適正か 過去モデルとの比較

AMDのRadeon RX 9070シリーズの価格がリークされたが、過去モデルと比較すると割高に感じられる。RX 9070は649.99ドル、RX 9070 XTは699.99ドルという設定だが、これは過去のRX 7900 GRE(549ドル)やRX 7800 XT(499ドル)よりも高額だ。
特にRX 9070 XTは、性能面でRX 7900 GREと同等とされているが、価格は150ドルも高い。この価格差が何によるものなのか、正式発表で明らかになることが期待される。また、競合のNvidia RTX 5070(549ドル)と比較しても、RX 9070の649.99ドルという価格は100ドルも高い。
同様に、RTX 5070 Ti(749ドル)と比べた場合、RX 9070 XTの699.99ドルという価格は少し安く見えるが、リークされたベンチマークではRX 9070 XTの性能はRTX 4070 Superに近く、RTX 5070 Tiには劣るという結果が出ている。この結果が正しければ、価格に対するパフォーマンスのバランスが悪いと感じるユーザーもいるだろう。
AMDはこれまで、Nvidiaと比べてコストパフォーマンスの高いGPUを提供してきたが、今回のRX 9070シリーズはその例外となる可能性がある。公式発表で価格が変更される可能性はあるが、現時点ではユーザーが期待していた「お得感」は薄れている。特に、価格の上昇が性能向上に見合うかどうかが、今後の評価を左右するポイントになるだろう。
AMD製リファレンスカードなし AIBパートナーの影響は?
今回のリーク情報によると、AMDはRX 9070シリーズのリファレンスモデルを一般向けに販売しない可能性が高い。これは、AMD自身が製造する「Made by AMD」カードが市場に出回らず、すべての製品がAIB(アドインボード)パートナー製となることを意味する。
AIBパートナーとは、ASRockやASUS、MSI、Gigabyteなどのグラフィックボードメーカーであり、彼らが独自の冷却システムやデザインを施したモデルを販売することになる。リファレンスカードがない場合、AMDのMSRP(メーカー希望小売価格)通りに販売されるモデルが少なくなる可能性がある。
AIBパートナー製のモデルは、冷却性能の向上やオーバークロック仕様などの付加価値がある一方で、価格が上乗せされやすい傾向にある。そのため、リーク価格がMSRPなのか、AIBモデルによる価格なのかを見極めることが重要だ。
NvidiaのRTX 5070 TiもFounders Edition(リファレンスモデル)がなく、AIBモデルのみの販売となった結果、発売直後からMSRPでの販売がほとんど見られなかった。RTX 4070 Tiの時も同様で、MSRPで購入できるのはごく限られたモデルのみだった。
AMDのRX 9070シリーズも、MSRPでの購入が難しくなる可能性があり、実際の市場価格はさらに高騰する可能性がある。この傾向が続けば、新世代GPUの価格はさらに上昇し、手頃な価格帯の選択肢が減少するかもしれない。
RX 9070シリーズはNvidiaのBlackwellに対抗できるか
AMDのRX 9070シリーズは、Nvidiaの次世代Blackwell GPUに対抗する製品として注目されている。現在、NvidiaのRTX 50シリーズは品薄状態が続いており、その間にAMDがシェアを獲得できるかがポイントとなる。
RX 9070 XTのベンチマーク結果が正しければ、RTX 4070 Superに匹敵する性能とされ、RTX 5070 Tiとの差は約28%となる。これが事実であれば、RX 9070 XTがRTX 5070 Tiの直接的なライバルとは言い難い。
一方で、AMDはGPUの命名規則を変更し、製品の位置づけをより分かりやすくしたとされる。RX 9070 XTは従来の7000シリーズと比較すると、7900 GREと近いポジションにあるが、価格が高くなっているため、パフォーマンス面での期待値を超えられるかが疑問視される。
NvidiaのBlackwell世代が登場すれば、さらに高性能なRTX 5080やRTX 5090が市場に投入される可能性があり、その時点でRX 9070シリーズの立ち位置がどうなるかが重要になる。AMDが価格調整を行い、適正な価格設定をすることで、競争力を維持できるかもしれない。今後の正式発表と市場の動向が注目される。
Source:Tom’s Hardware