Android Auto の使用中にスマートフォンが突如リブートするという問題が報告された。この問題は当初、一部のユーザーからの指摘によりバグの可能性が疑われたが、調査の結果、Android の「Force Desktop Mode(デスクトップモードを強制)」という開発者向け設定が原因である可能性が浮上した。

この現象は Android Auto 13.4 で最初に確認され、一部のユーザーは 13.3 にダウングレードすることで問題が解消されたと報告。しかし、現在の Android Auto 13.8 ではバージョンに関係なく解決策としてこの設定を無効にすることで再起動の問題が回避できることが判明した。

また、Android Auto の最新アップデートではワイヤレス接続の不具合も報告されており、一部のドライバーが接続不能に陥っている。Google は今後のアップデートでこれらの問題を解決するとみられるが、現時点では開発者向け設定に注意することが重要となる。

Android Auto の再起動問題はなぜ発生したのか

Android Auto を使用中に突然スマートフォンがリブートするという問題が、Reddit で指摘された。この不具合は、車両のディスプレイで Android Auto が起動し、特定の操作を行うと発生する。リブートとはいえ、完全な再起動ではなく、Android Auto のセッションが終了し、スマートフォンがロック画面に戻る「ソフト」リブートの形を取るのが特徴だ。

この問題が広く認識されるきっかけとなったのは、2 月 21 日にあるユーザーが Reddit で「Force Desktop Mode(デスクトップモードを強制)」という開発者向け設定を無効にすることで解決できたと報告したことだった。これにより、単なる Android Auto のバグではなく、特定の開発者向けオプションが原因である可能性が浮上した。

Google の公式フォーラムやサポートチャネルでは大きな報告はなかったものの、一部のユーザー間ではこの設定の影響が共通していたことが分かった。また、この問題は Android Auto 13.4 の時点で報告されており、ユーザーの中には 13.3 にダウングレードすることで症状が解消したと報告する声もあった。

しかし、現在配信されている Android Auto 13.8 では、バージョンの違いは問題の発生に大きく関係していないようだ。むしろ、デスクトップモード強制の設定自体が原因である可能性が高いため、開発者向けオプションをカスタマイズしているユーザーは注意が必要となる。

Android Auto の開発者向け設定が影響を与える理由

Android の開発者向けオプションは、通常のユーザーにはあまり意識されないが、特定の機能や挙動を変更できる重要な設定が含まれている。その中でも「Force Desktop Mode(デスクトップモードを強制)」は、Android デバイスを外部ディスプレイに接続した際の UI 挙動を変更する設定であり、Android Auto の動作に予期しない影響を与えたと考えられる。

デスクトップモードは、主にタブレットやスマートフォンを外部ディスプレイに接続した際に PC ライクな UI を提供するためのものであり、通常は Android Auto とは直接関係しない。しかし、今回の問題では、Android Auto が車両のディスプレイと接続される際にこの設定が影響を及ぼし、特定の条件下でシステムが想定外の処理を実行した可能性がある。

開発者向け設定は、テストやカスタマイズ用途として用意されているが、その影響は必ずしも明示されていない。特に、Android Auto のように多くの異なるデバイスやソフトウェア環境と連携する機能では、一部の設定変更が思わぬ不具合を引き起こすことがある。

今回のケースでは、デスクトップモードの強制が Android Auto の UI 処理に影響し、結果としてスマートフォンのリブートを引き起こした可能性が高い。

また、Google の公式サポートフォーラムで大きな話題にならなかった点からも、この問題は限られた環境でのみ発生していたことが推測できる。つまり、ほとんどのユーザーが開発者向けオプションをデフォルトのまま使用していたため、問題を経験しなかったのではないかと考えられる。

ワイヤレス接続の問題と今後の対応

Android Auto に関しては、今回の再起動問題以外にも、ワイヤレス接続に関する不具合が報告されている。特に、最近のアップデートで一部のユーザーが Android Auto のワイヤレス接続を使用できなくなったという声が増えている。

これまで Android Auto は、USB ケーブル接続が基本だったが、近年ではワイヤレス接続の対応が進み、利便性が向上していた。しかし、最新のアップデートでは、一部の端末でワイヤレス接続が途切れる、または認識されないといった問題が報告されており、安定性に関する懸念が広がっている。

現時点では Android Auto 13.8 でこの問題が修正されたのかどうかは不明だが、ユーザーの間では Google の対応を待つ声が多い。

今回の再起動問題とワイヤレス接続の不具合を考えると、Android Auto の安定性には依然として課題が残っている。特に、開発者向け設定やバージョンごとの挙動の違いが、ユーザー体験に大きな影響を与える点は見過ごせない。Google が今後のアップデートでこれらの問題をどのように解決するのか、注目が集まる。

現時点で Android Auto を利用しているユーザーは、ワイヤレス接続が安定しない場合は USB 接続に切り替える、開発者向け設定を変更している場合はデフォルト設定に戻すなど、自己防衛策を講じることが求められる。今後のアップデートで Google がどのような改善を行うのか、引き続き動向を注視していきたい。

Source:9to5Google