Appleが次期iPhone SE 4を発表すると予想されているが、この新モデルに過度な期待を抱くべきではないかもしれない。確かにデザインやスペックの大幅な向上が見込まれるものの、最大の問題はその価値の下落スピードだ。

スマートフォンの買取市場では、iPhone SEシリーズはフラッグシップモデルと比べて価値を維持しにくいとされている。SellCellのデータによれば、発売からわずか1か月で40%以上価値が下がり、半年後には60%近くまで下落する。これに対し、最新のフラッグシップiPhoneは同じ期間で30%未満の価値減少にとどまるという。

iPhone SEがこれほど早く価値を失う理由は、単なるサイズの問題ではない。実際に、小型のiPhone MiniシリーズはSEよりも価値を維持していた。むしろ、SEが「低価格モデル」として認識されていることや、スペックやデザインが最新のフラッグシップ機と比べて見劣りすることが大きな要因と考えられる。

次期iPhone SE 4は、iPhone 14に近いデザインとなり、A18チップを搭載する可能性がある。また、「Apple Intelligence(AI機能)」をサポートすると噂されている。ただし、価格も500ドル程度に引き上げられると見られており、これが価値維持にどこまで影響を与えるかは不透明だ。

Appleは、この問題に対応するためにSEシリーズの名称を「iPhone 16E」などに変更することを検討しているとも言われている。しかし、名称変更が本質的な価値下落の問題を解決するかどうかは疑問が残る。

頻繁に機種変更をするユーザーにとって、iPhone SE 4の価値が短期間で大きく下落する可能性は見逃せないポイントだ。もし購入を検討しているなら、買取市場の動向を踏まえ、1年以内に下取りに出すことが最も高いリセールバリューを確保する方法の一つと言えそうだ。

iPhone SE 4のデザインと性能はどこまで進化するのか

次期iPhone SE 4は、従来のSEシリーズとは一線を画すデザインになると見られている。これまでのSEシリーズは、古いiPhoneのデザインを踏襲しつつ、内部の性能を最新化するという手法が取られてきた。しかし、今回はiPhone 14に近いデザインが採用されると噂されている。これにより、ホームボタンを廃止し、全面ディスプレイのデザインへと移行する可能性が高い。

ディスプレイサイズの拡大に加え、ノッチの有無やFace IDの搭載可否も注目されるポイントだ。現在のSE 3は4.7インチの液晶ディスプレイを採用しているが、iPhone SE 4では6.1インチの有機EL(OLED)ディスプレイになるという予測もある。これが実現すれば、これまでSEシリーズを選んでいた層だけでなく、フラッグシップ機と同等の視覚体験を求めるユーザーにも魅力的な選択肢となるだろう。

また、プロセッサには最新のA18チップが搭載される見込みだ。これにより、処理性能の向上だけでなく、Apple Intelligenceと呼ばれるAI機能への対応も期待される。ただし、フラッグシップ機と比べて機能の制限がある可能性もあり、どこまで最新技術を取り入れるのかがポイントとなる。

こうした大幅なアップグレードが施される一方で、価格も引き上げられると予想されている。現在のSE 3は429ドルで販売されているが、新モデルは500ドル前後に設定される可能性がある。性能向上によるメリットと価格上昇のバランスが、購入を決める上で重要な要素となりそうだ。

SEブランドの刷新は価値の維持につながるのか

AppleはSEシリーズの名称を変更し、新たなブランディングを図る可能性がある。現行の「SE」という名称は「低価格モデル」のイメージが強く、市場においてもフラッグシップ機と比べて価値の下落が早いことが問題視されている。そのため、Appleは次期モデルを「iPhone 16E」として発表し、iPhone 16シリーズの一部として扱うことを検討しているという。

名称を変えることで、消費者に対する印象の変化を狙う戦略は珍しくない。例えば、かつての「MacBook Air」は廉価モデルのイメージがあったが、Appleは後継モデルでデザインや性能を強化し、現在ではプロユースにも耐えうるモデルとして認識されるようになった。同様に、「iPhone 16E」として登場すれば、SEシリーズとは異なる価値を持つモデルとして市場に定着する可能性がある。

しかし、名称の変更だけで実際のリセールバリューが改善されるかどうかは未知数だ。iPhone SEシリーズの価値下落が速い理由の一つは、スペックや機能がフラッグシップモデルと比較して劣る点にある。たとえ名前が変わっても、フラッグシップとの差が大きければ、中古市場での価値は依然として下がりやすいかもしれない。

また、消費者はAppleのマーケティング手法を敏感に察知する傾向がある。もし「iPhone 16E」として販売されたとしても、本質的にはSEシリーズの延長であると見抜く人は少なくないだろう。したがって、名称変更が市場でどのように受け入れられるかは、単なるブランド変更にとどまらず、実際の製品価値がどこまで向上するかにかかっている。

頻繁に機種変更するユーザーが取るべき選択肢

スマートフォンを頻繁に買い替えるユーザーにとって、リセールバリューは無視できない要素となる。特にiPhone SEシリーズは、発売後わずか1か月で40%以上価値が下落し、半年後には60%近くまで下がるというデータがある。これを踏まえると、次期iPhone SE 4を購入する場合、下取りのタイミングを慎重に考える必要がある。

SellCellのデータによれば、最高の買取価格を確保するためには1年以内に下取りに出すのが理想的だ。Apple製品は発売直後の価値が比較的安定しているため、早めに売却することで損失を最小限に抑えることができる。特に、新機種が発表されるタイミングで下取り価格が大きく下がるため、次期iPhone SE 4を購入した場合は、翌年の新機種発表前に売却するのが賢明だろう。

また、購入時にAppleの下取りプログラムを利用するか、他の買取業者を利用するかも重要なポイントだ。Appleの公式下取りプログラムは利便性が高いが、買取価格が市場価格よりも低めに設定されることがある。一方で、第三者の買取業者では高値で買い取られる可能性があるため、複数の選択肢を比較することが望ましい。

さらに、ケースや画面保護フィルムを活用し、本体をできるだけ綺麗な状態に保つことも重要だ。買取価格は本体の状態によって大きく左右されるため、小さな傷でも価格が下がる可能性がある。リセールバリューを意識するなら、使用中の取り扱いにも注意を払うべきだろう。

このように、iPhone SE 4を選ぶ場合は、単に購入時のコストだけでなく、売却時の戦略も考慮することで、より賢い選択ができるはずだ。

Source:PhoneArena