OnePlusは次世代折りたたみスマートフォン「OnePlus Open 2」を2025年に投入しないことを発表した。この決定は、同社のプロダクトマネージャーVale G氏による公式声明によって明らかになった。同氏は、OnePlusが市場に新たな基準を設け、革新を追求する姿勢を貫く中で、折りたたみスマートフォンの展開について慎重に再評価した結果、この結論に至ったと述べている。
OnePlusが折りたたみスマートフォン市場での展開を一時停止する一方で、姉妹ブランドのOppoは「Find N5」を今後の主力折りたたみモデルとして推進する方針だ。特に英国など一部の国では、Find N5の投入が予定されているため、OnePlus Open 2の発売延期による影響は限定的とみられる。しかし、Oppoが米国市場で折りたたみスマートフォンを展開しないことを考えると、米国のユーザーにとっては選択肢の減少につながる。
OnePlusが折りたたみスマートフォン開発を一時停止した理由
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OnePlusが「OnePlus Open 2」の開発を見送った背景には、折りたたみスマートフォン市場の変化と、同社の戦略的判断が関係している。OnePlusは、これまで「Never Settle(決して妥協しない)」という理念を掲げ、革新的なデバイスを生み出してきたが、今回の決定は慎重な検討の結果とされている。
折りたたみスマートフォン市場は急成長しているものの、製造コストの高さや耐久性の課題が依然として残っている。特にヒンジ部分の耐久性や折り目の目立ちにくさなど、技術的な改善が求められる中で、OnePlusは新モデルの開発に十分な競争力を持たせることが難しいと判断した可能性がある。
また、OnePlusがOppoと密接な関係にあることも重要な要素だ。OnePlusの折りたたみスマートフォンは、Oppoの「Find N」シリーズと多くの設計を共有しており、新モデルを投入することでブランド間の競争が発生することを避けたと考えられる。特に、Oppoの「Find N5」が近く発表されるとみられる中で、OnePlusとしては別の製品カテゴリに注力する方針を選んだのではないか。
さらに、市場におけるシェア拡大の難しさも影響している可能性がある。SamsungやGoogleといった競合が折りたたみ市場をリードする中、新規参入ブランドが強いインパクトを与えるのは容易ではない。OnePlusは過去に「フラッグシップキラー」として人気を博したが、折りたたみ市場では競争環境が異なり、同じ戦略が通用しないと判断したのかもしれない。
Oppo Find N5が市場に与える影響とOnePlusユーザーの選択肢
OnePlus Open 2の発売が見送られたことで、注目を集めるのがOppoの「Find N5」だ。このモデルはOnePlus Open 2と類似した仕様を持つ可能性が高く、OnePlusの折りたたみスマートフォンを期待していたユーザーにとって代替の選択肢となるかもしれない。
OppoのFind Nシリーズは、コンパクトなサイズ感と独自のヒンジ構造で評価されており、特に折り目の目立たなさが強みとされている。Find N5もこれまでのシリーズの特徴を引き継ぎつつ、さらなる改良が施されると予想される。OnePlus Open 2を期待していたユーザーにとっては、ほぼ同等の体験を得られる可能性がある。
しかし、Oppo Find N5は米国市場では発売されないと報じられている。このため、OnePlus Open 2を待っていた米国のユーザーにとっては選択肢が限られる状況となる。Samsungの「Galaxy Z Fold」シリーズや、Googleの「Pixel Fold」が代替となるが、OnePlusの独自のソフトウェア体験や価格帯を好んでいたユーザーにとっては、他ブランドへの移行が簡単ではないかもしれない。
このように、OnePlus Open 2の発売見送りは、単に1つのデバイスが市場から消えるという問題にとどまらず、特定地域のユーザーにとっての選択肢の減少という形で影響を及ぼしている。特に折りたたみスマートフォンの価格帯が依然として高い中で、新たなプレイヤーの不在は市場の競争環境に変化をもたらすことになりそうだ。
Samsungの独走が続く折りたたみ市場と今後の展望
OnePlus Open 2の撤退によって、折りたたみスマートフォン市場におけるSamsungの優位性はさらに強まる可能性がある。現在、この分野ではSamsungがリーダー的存在であり、「Galaxy Z Fold」シリーズや「Galaxy Z Flip」シリーズが市場をけん引している。
Samsungは2025年に「Galaxy Fold 7」を発表する可能性があり、さらに「トライフォールド(3つ折り)」スマートフォンの投入も噂されている。競合が減ることで、Samsungはより大胆な進化を遂げる機会を得ることになるだろう。特に米国市場では、OnePlusの撤退によってSamsungがほぼ独占的な地位を維持することになりそうだ。
ただし、競争が減ることは必ずしもユーザーにとって良いことではない。市場に多くの選択肢があることで、技術革新が促され、価格競争も活発になる。OnePlusが撤退したことで、Samsungは価格を据え置く余裕を持つかもしれず、手頃な価格帯の折りたたみスマートフォンが増えるかどうかは不透明な状況だ。
また、Samsung以外のブランドがどのように動くかも注目される。Googleの「Pixel Fold」シリーズは、独自のソフトウェア体験とカメラ性能を武器に成長を狙っているが、Samsungと並ぶ存在になるにはまだ時間がかかりそうだ。さらに、MotorolaやXiaomiも折りたたみ市場に参入しているものの、世界的な展開は限定的であり、Samsungの牙城を崩すには至っていない。
こうした中で、OnePlusが今後折りたたみスマートフォン市場に復帰する可能性も完全には否定できない。同社が新たな技術や市場環境の変化を踏まえ、改めて競争力のある製品を投入することがあれば、再び注目を集めることになるだろう。現時点では、OnePlus Open 2の発売中止はSamsungにとって好機である一方で、市場全体の競争環境には新たな課題を生み出す要因となっている。
Source:Trusted Reviews