Appleの次期「iPhone SE 4」は、従来のSEシリーズを上回る売れ行きになる可能性があると、著名アナリストのミンチー・クオ氏が予測している。出荷台数は2025年前半に約1,200万台、後半に約1,000万台と見込まれ、従来のSEシリーズの年間販売実績をやや上回る勢いだ。
今回のSE 4では、6.1インチOLEDディスプレイやFace IDの採用、Apple A18チップの搭載といった大幅なスペック強化が期待されている。また、Apple初の自社開発5Gモデムが採用される可能性があり、これにより通信性能の向上とQualcommへの依存低減が進むとみられる。
価格は499ドルから549ドルと予想され、従来モデルよりも若干高価ながら、ハードウェアの進化を考慮するとコストパフォーマンスの高い選択肢となるだろう。発売時期は2025年春と見込まれており、新デザインと強化された性能がユーザーの注目を集めそうだ。
iPhone SE 4が従来モデルと大きく異なるポイントとは
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iPhone SE 4は、過去のSEシリーズと比較して外観と性能の両面で大幅な進化を遂げると予測されている。特に、これまでSEシリーズが持っていた「コンパクトでシンプルなデザイン」「コストパフォーマンス重視」といった特徴が変化し、より最新のiPhoneに近い仕様となることが注目される。
まず、ディスプレイにはこれまでのLCDではなくOLEDが採用される可能性が高い。これにより、色の鮮やかさやコントラストが向上し、視認性の面で大きな進歩となる。6.1インチというサイズも、従来のSEシリーズの4.7インチと比べると一回り大きくなり、画面の情報量や操作の快適さが向上するだろう。
また、ホームボタンを廃止し、Face IDを採用することで、iPhone 14シリーズに近いデザインとなる見込みだ。これまでSEシリーズは物理ボタンを残していたが、今回のモデルでは完全にフルスクリーン化される可能性があり、ユーザー体験がより現代的なものになると考えられる。さらに、ボディはアルミニウム製で、フラットエッジのデザインが採用されるとされているため、過去のモデルよりも洗練された印象を与える。
スペック面では、Apple A18チップの搭載が予測されており、これはiPhone 16シリーズと同じものになる可能性が高い。これにより、SEモデルでありながらハイエンド機種並みのパフォーマンスを期待できる。RAMも8GBに増強されるとされており、マルチタスク処理やAI機能への対応が強化される見込みだ。
これらの変更は、従来のSEシリーズが持っていた「エントリーモデル」という位置づけを一新する可能性がある。価格は従来よりも若干上昇すると予想されているが、スペックの向上を考慮すると、これまで以上に幅広いユーザー層にとって魅力的な選択肢となるだろう。
Apple独自の5Gモデムがもたらす影響とは
iPhone SE 4で注目されているもう一つの要素は、Appleが初めて自社開発の5Gモデムを搭載する可能性があることだ。これまでAppleはQualcomm製の5Gモデムを採用してきたが、長年にわたり自社製のモデム開発を進めてきたとされ、今回のSE 4がその第一弾となる可能性がある。
Appleが自社製モデムを採用することで、まず期待されるのは通信性能の向上だ。ハードウェアとソフトウェアを完全に最適化することで、バッテリー消費を抑えつつ通信速度を最大化することができる。これにより、5G接続時の消費電力が削減され、バッテリー持ちが向上する可能性がある。特に、SE 4は従来モデルよりも大容量のバッテリーを搭載するとみられており、Appleの最適化技術と相まって、長時間の使用が可能になるかもしれない。
一方で、AppleがQualcommから完全に脱却するにはまだ時間がかかると考えられる。自社製モデムの初採用となれば、最適化や通信キャリアとの調整に課題が残る可能性がある。Qualcommはこれまで安定した5G通信技術を提供してきたが、Appleの独自モデムがどの程度の性能を発揮するかは未知数だ。初期段階では、通信品質の面で若干の調整が必要になる場面も出てくるかもしれない。
また、Qualcommにとっては、この変化がビジネス上の打撃になる可能性がある。Appleは長年にわたりQualcommからモデムを購入していたが、自社開発に成功すれば、その受注が大幅に減少することになる。これに対し、Qualcommは特許ライセンスの調整を行い、Appleからの収益を確保しようとする動きが出る可能性もある。
このように、Appleの5Gモデム採用は技術的にもビジネス的にも大きな意味を持つ。通信品質がどこまで向上するのか、そして今後のAppleとQualcommの関係がどのように変化していくのか、今後の展開が注目される。
iPhone SE 4は「廉価モデル」の枠を超えるのか
従来のiPhone SEシリーズは、最新のiPhoneの機能を一部省略しつつ、コストを抑えた「エントリー向け」のモデルとして位置づけられてきた。しかし、今回のSE 4は、これまでのSEシリーズとは一線を画す仕様となる可能性があり、その位置づけ自体が変化することになるかもしれない。
まず、価格面では従来よりも高くなることが予想されている。過去のSEモデルは399ドルからスタートすることが多かったが、今回は499ドルから549ドルと見込まれており、より高価格帯へとシフトしている。ただし、この価格上昇には明確な理由がある。ディスプレイがOLEDに進化し、プロセッサが最新のA18チップにアップグレードされること、カメラやバッテリー性能も大幅に向上することなどを考えれば、単なる価格上昇ではなく、全体的なスペックの向上を反映したものだといえる。
また、SE 4は「廉価版のiPhone」という従来のイメージを覆し、フラッグシップモデルと同様の体験を提供することを目指していると考えられる。特に、Face IDの採用やUSB-Cポートの搭載、5Gモデムの自社開発化など、これまでハイエンド機種でしか実現されてこなかった要素が盛り込まれることで、SEシリーズの役割自体が変化していく可能性がある。
このような変化がある中で、iPhone SE 4がどのユーザー層に受け入れられるのかが今後の焦点となる。従来のSEユーザーは、コンパクトで手頃な価格のモデルを求めていたが、新型は画面サイズが大きくなり、価格も上昇するため、ターゲット層が変化する可能性がある。一方で、最新のiPhoneを手頃な価格で手に入れたいと考える層にとっては、これまで以上に魅力的な選択肢となるかもしれない。
AppleがSEシリーズを今後どのように展開していくのか、そしてSE 4が市場でどのように評価されるのか、その動向に注目が集まる。
Source:MacDailyNews