サムスンのカスタマイズツール「Good Lock」のモジュールの一つである「Home Up」が、最新のOne UI 7に対応したバージョン16をリリースした。このアップデートにより、ホーム画面や最近使用したアプリ画面のカスタマイズがさらに充実し、ユーザーはアニメーション速度やアイコンの配置など、細部に至るまで調整可能となった。
特に、アニメーションのプリセットや詳細設定により、操作感を自分好みに最適化できる点が注目される。また、Edgeパネルの機能強化により、アプリやショートカットへのアクセスがより効率的になった。これらの新機能は、かつてのサムスンの遊び心を思い起こさせ、ユーザーにとって魅力的なカスタマイズ体験を提供している。
Home Upの新機能がもたらすカスタマイズの自由度
One UI 7対応のHome Upアップデートにより、従来のカスタマイズ機能が大幅に強化された。特に注目すべき点は、アイコンの配置自由度が向上したことだ。これまではグリッドの枠に制約されていたが、新たなオプションにより、アイコンを好きな位置に配置できるようになった。アプリの並びを細かく調整し、個々の操作スタイルに合わせたホーム画面を作成できる。
さらに、ホーム画面の「ステッカー」機能も目を引く。これにより、ショートカットやメモ、装飾的なアイコンを自由に配置できるようになった。以前からウィジェットを使えば類似の機能はあったが、ステッカー機能はより直感的に操作でき、ビジュアル面でも一段と充実している。
また、One UI 7ではアニメーションの調整がより柔軟になった。新たに追加された「ホームジェスチャーアニメーション調整」では、動作の速度やエフェクトを細かく設定可能だ。特に「Classic」「Elegance」「Dynamic」「Sweet」の4つのプリセットは、それぞれ異なる操作感を提供し、ユーザーごとの好みに合わせた最適なアニメーションを選択できる。
これらの新機能は、カスタマイズ性を求めるユーザーにとって待望のアップデートといえる。かつてSamsungが提供していた独自のカスタマイズ性が、改めて強化されたことが実感できるアップデートとなった。
Edgeパネルの進化が使い勝手を向上させる
Home Upのアップデートにより、Edgeパネルの実用性が大きく向上した。特に「より多くのアイテムを表示」トグルの追加によって、これまで2列表示だったアイテムが3列まで拡張可能になった。これにより、頻繁に使用するアプリやショートカットにアクセスしやすくなり、スクロールの手間が減少した。
加えて、「最近使用したアプリエリアのスクロール」オプションも便利な機能の一つだ。従来は最大4つのアプリしか表示されなかったが、今回のアップデートではスクロール可能となり、過去に開いたアプリへ迅速にアクセスできるようになった。この変更は、複数のアプリを頻繁に切り替えるユーザーにとって非常に有益だろう。
また、フルスクリーンで動画を視聴している際にもEdgeパネルのハンドルを表示できるようになった。これにより、YouTubeやNetflixを視聴中でも、画面を中断することなくアプリの切り替えが可能になった。これまでは、フルスクリーン時にEdgeパネルが隠れる仕様だったため、アプリを変更する際に手間がかかっていた。この新機能によって、よりスムーズなマルチタスク環境が実現されたといえる。
これらのアップデートは、Samsungがユーザーの実際の使い方を意識しながら改良を加えていることを示している。これまでEdgeパネルを使っていなかった人でも、今回のアップデートを機に活用する価値があるかもしれない。
One UIの進化が示すSamsungの新たな方向性
今回のHome Upアップデートは、Samsungがかつてのカスタマイズ性を再び重視し始めたことを示している。過去のTouchWizやSamsung Experienceでは、多機能である一方、動作の重さや複雑なUIが批判の的となっていた。しかし、One UIが導入されて以降、シンプルで直感的な操作性にフォーカスしたデザインへと変化した。
しかし、ここ数年のアップデートでは、新機能の追加が控えめになり、One UIの進化が停滞しているとの声もあった。特にカスタマイズを重視する層にとっては、かつてのSamsungの独自性が失われつつあると感じられていた。しかし、今回のHome Upの新機能を見る限り、Samsungは再び遊び心を取り戻し、柔軟な操作性を提供しようとしていることがうかがえる。
特にアニメーションの調整やEdgeパネルの改善は、Samsungがユーザーごとのニーズを重視し、多様な選択肢を提供する姿勢を強調している。AppleのiOSがシンプルな体験を追求する一方で、Samsungはより個別の好みに対応できる環境を整えつつある。
今後のアップデートでこの傾向が続くかは不明だが、少なくとも今回のHome Upの進化は、Samsungが再び「選択の自由」を重視し始めた兆候といえる。今後のOne UIの展開に期待が高まる。
Source:Android Authority