Intelの次世代CPU「Nova Lake」は、パフォーマンスコア(Pコア)と効率コア(Eコア)の大幅な増加により、従来のプロセッサ設計を刷新する可能性がある。特にデスクトップ向けの最上位モデルでは、16のPコアと32のEコア、合計48コアを搭載すると予想されている。

この構成は、8つのPコアと16のEコアを持つダイを2つ組み合わせるデュアルチップレット設計を採用する可能性があり、AMDのRyzen 9シリーズに似たアプローチといえる。モバイル向けの「Nova Lake-HX」モデルでは、8つのPコアと16のEコアを搭載する見込みで、これは現行のArrow Lakeの「Core Ultra 200HX」シリーズと同様の構成である。

一方、ミッドレンジのデスクトップおよびラップトップ向けの「Nova Lake-S/Nova Lake-H」モデルは、4つのPコアと8つのEコアを備えるとされ、超薄型デバイス向けの「Nova Lake-U」シリーズは、4つのPコアのみを搭載する予定だ。

これらの情報はリークに基づくものであり、実際の製品仕様は変更される可能性がある。しかし、Intelが次世代CPUでコア数を大幅に増加させることで、競争力を強化しようとしていることは明らかである。特に、AMDの次世代アーキテクチャ「Zen 6」もコア数の増加が予想されており、両社の競争が激化する可能性がある。

Intel Nova Lakeのアーキテクチャと革新性

Intelの次世代CPU「Nova Lake」は、これまでのIntel製プロセッサとは一線を画すアーキテクチャを採用する可能性がある。特に注目すべき点は、PコアとEコアの組み合わせが大幅に変化し、性能向上と消費電力の最適化が図られていることだ。デスクトップ向けのNVL-SKモデルは最大48コアを搭載すると予想され、デュアルチップレット構成の可能性が指摘されている。

このデュアルチップレット設計は、従来のモノリシックダイ設計とは異なり、複数のダイを組み合わせることで高性能化を実現する技術だ。AMDがRyzenシリーズで採用している構造に近く、Intelがこれを導入することで、コア数競争の新たなステージへと進むことになる。

また、Nova LakeのアーキテクチャはArrow Lakeと比較しても大幅に刷新され、単なる進化ではなく抜本的な設計変更が加えられているとみられる。モバイル向けのNVL-HXモデルでは、8つのPコアと16のEコアを搭載し、ラップトップ市場向けに最適化されると考えられる。これは、バッテリー駆動時間とパフォーマンスのバランスを重視した設計となるだろう。

一方で、低消費電力を求めるNVL-Uモデルは4つのPコアのみを搭載し、超薄型デバイス向けの製品となる。こうした多様なラインナップにより、Intelはデスクトップからモバイルまで幅広いユーザー層をカバーしようとしていると考えられる。


AMDとの競争とIntelの次の一手

Nova Lakeの登場は、AMDとの競争を一層激化させる可能性がある。現在、AMDのZen 5およびZen 6アーキテクチャが次世代のCPU市場を席巻すると予測されており、特に3D V-Cache技術によるゲームパフォーマンスの向上が大きなアドバンテージとなっている。

一方、IntelはNova Lakeにおいてコア数の増加という戦略を採ることで、マルチスレッド性能の強化を図るとみられる。また、Intelの現在の課題として消費電力と発熱の問題がある。AMDのRyzenシリーズはTSMCの先進的なプロセス技術を活用しており、電力効率の面で優位に立っている。

Nova Lakeがこの点でどのような改良を加えてくるのかが、今後の注目ポイントとなる。特に、Intelは自社製造のIntel 3プロセスを採用すると予想されており、この新プロセスの完成度が性能と消費電力に大きく影響を及ぼすだろう。

さらに、AMDの次世代チップはチップレット設計をさらに洗練させる可能性があり、Intelが同様の技術を採用した場合、プロセッサ市場の勢力図が大きく変わるかもしれない。Nova Lakeがどの程度の性能向上を果たすのか、そしてAMDの次の一手がどうなるのか、今後の展開に期待が高まる。

Source:Club386