Huaweiは2025年に「想像を超える」新製品を発表すると予告しており、特に3月には革新的なスマートフォンの登場が期待されている。Huaweiのコンシューマービジネスグループ会長である余承東(Richard Yu)氏は、この新製品が市場投入後に「消費者が殺到し、誰もが手に入れられる価格帯になる」と強調。昨年のリーク情報と照らし合わせると、このデバイスは「Pocket 3」として発表される可能性が高い。
折りたたみ式のクラムシェルデザインを採用すると見られるPocket 3は、前モデルよりも薄く、軽量化が図られる見込みだ。しかし、Huaweiのスマートフォンは引き続き米国の制裁の影響を受け、最新のチップ技術では競争相手に後れを取る可能性がある。HuaweiのサプライヤーであるSMICは、7nmプロセス以下の製造が難しく、他社が3nmプロセスを採用する中で技術的な課題を抱えている。
それでもHuaweiは2024年第1四半期に折りたたみスマートフォン市場で首位を獲得し、Samsungを一時的に上回るなど、市場での影響力を維持。今後のPocket 3の発表が、SamsungのGalaxy Z Flip 6やMotorolaのRazr+(2024)といった競合製品とどのように差別化されるのかが注目される。
Huaweiの新型スマートフォンが直面する技術的課題とその解決策
Huaweiの次期スマートフォンは、技術面での課題を抱えている。特に、米国の制裁による半導体供給の制限は依然として大きな障壁となっており、新型デバイスの性能にも影響を及ぼす可能性がある。Huaweiは自社製チップ「Kirin」シリーズを採用しているが、先端プロセスの製造にはオランダのASML社が提供する極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置が必要だ。しかし、Huaweiの主要サプライヤーであるSMIC(中芯国際集成電路製造)は、EUV技術の導入ができないため、現在の最先端とされる3nmプロセスには対応できない。
そのため、Huaweiは7nmプロセスのチップを採用する可能性が高いが、これはAppleやSamsungが採用する最新の3nmプロセスと比べると、省電力性能や処理能力で劣る点が懸念される。ただし、Huaweiはソフトウェアとハードウェアの最適化を進めることで、性能の向上を図るとみられている。過去のモデルでも、独自のアルゴリズムを活用したチップの効率化や、バッテリー持続時間の最適化を実現してきた。
また、同社は独自のHarmonyOSを採用しており、Googleのサービスが利用できない状況の中で、独自のエコシステムの構築を進めている。中国国内ではこの戦略が成功しており、ユーザーはAppGalleryやPetal Searchといった代替手段を利用している。次期スマートフォンでは、これらのサービスの充実度がさらなる鍵となる可能性がある。
折りたたみスマートフォン市場での競争が激化、Huaweiの立ち位置は
折りたたみスマートフォン市場は年々拡大しており、特にクラムシェル型の需要が高まっている。SamsungのGalaxy Z Flipシリーズは、グローバル市場で高い人気を誇っており、2024年に発表予定のGalaxy Z Flip 6は、さらなる進化が期待されている。Huaweiが開発中とみられるPocket 3は、このカテゴリーでの競争に直接参入する形となる。
昨年、Huaweiは折りたたみスマートフォン市場でSamsungを一時的に上回り、世界シェア1位を獲得した。しかし、第3四半期には再びSamsungが首位を奪還しており、競争の激しさが増している。Huaweiの強みは、中国市場での圧倒的な支持と、独自の技術革新にある。例えば、Mate Xシリーズでは独自のヒンジ設計を採用し、耐久性やフラットな折り目の実現に成功している。
Pocket 3がどのような新技術を採用するかは不明だが、前モデルよりも薄型・軽量化されるという情報がある。特に、折りたたみスマートフォンの課題であるディスプレイの耐久性や、バッテリー持続時間の改善が求められる。SamsungやMotorolaなどの競合企業も、同様の改良を進めており、Huaweiがどのような差別化を図るのかが注目される。
Huaweiの新型スマートフォンが持つ市場への影響と展望
Huaweiの新型スマートフォンが市場に与える影響は大きい。特に、中国市場ではAppleのiPhoneシリーズに対抗する唯一のハイエンドブランドとしての立ち位置を確立しており、次期デバイスの発表は業界内外で注目されている。昨年、Mate 60シリーズが予想以上の売れ行きを記録し、Appleの販売台数を上回る場面も見られた。この勢いが次期スマートフォンにも継続する可能性がある。
また、Huaweiは米国の制裁下にありながらも、独自技術の開発を続けている。例えば、5G対応チップの独自開発や、AI処理性能の向上に力を入れていることが示唆されている。特に、AI技術の進化により、カメラ機能やパーソナライズ機能が大きく進化する可能性がある。過去のモデルでも、Huaweiはライカと提携し、スマートフォンカメラの画質向上に貢献してきた。
今後の市場動向として、折りたたみスマートフォンの普及が加速することが予測されており、Huaweiがこの流れにどのように対応するかが重要になる。特に、価格設定や供給体制がカギを握ると考えられる。Huaweiが「誰もが手に入れられる価格」としている点は、折りたたみスマートフォンの普及を後押しする可能性がある。今後の正式発表に注目したい。
Source:PhoneArena