サムスンが開発中とされるトライフォルディングスマートフォンに関する新たな情報が浮上した。韓国の大手企業が進めるこのデバイスは、G字型の折りたたみデザインを採用し、約10インチのディスプレイを搭載する可能性がある。名称は「Galaxy G Fold」となる見込みで、発売時期は2025年末から2026年初頭と予想されている。
ディスプレイアナリストのロス・ヤング氏によれば、サムスンのトライフォルディングフォンは2026年初頭に登場する可能性が高いという。一方、Naverブログの「yeux1122」は、国内外の情報筋の話として、2025年第3四半期に発表される可能性を示唆している。
このデバイスは、9.96インチのディスプレイを備え、G字型の折りたたみデザインを採用することで、画面の保護と大画面の両立を図っているとされる。さらに、ディスプレイとフィルムはゼロから開発され、これまでの折りたたみ端末には使用されていない新技術が採用されるとのことだ。
重量は「H」と同程度になるとされているが、「H」が何を指すのかは明確ではない。しかし、Huawei Mate XTを指している可能性が高いと考えられる。また、サムスンは今年、通常の「Galaxy Z Fold7」や「Galaxy Z Flip7」に加え、廉価版の「Galaxy Z Flip7 FE」など、複数の折りたたみ端末を発表すると報じられている。
現時点では、これらの情報はまだ確定的ではなく、慎重に受け止めるべきだ。サムスンのトライフォルディングフォンが本当に2025年に登場するのか、それとも2026年に持ち越されるのか、今後の動向に注目が集まる。
G字型折りたたみデザインの特徴と利点
サムスンが開発中とされる「Galaxy G Fold」は、従来の折りたたみスマートフォンとは異なる「G字型」の折りたたみ機構を採用する可能性がある。このG字型デザインは、Huawei Mate XTのS字型とは異なり、画面を3つのセクションに分割しながら折りたたむ仕組みだ。
これにより、通常の折りたたみスマートフォンよりもコンパクトに収納できるだけでなく、開いた際にはタブレット並みの大画面を実現できるという利点がある。また、G字型の折りたたみ方式は、従来の「Galaxy Z Fold」シリーズに比べて画面の耐久性を向上させる可能性がある。
画面を2回折りたたむことで、従来の中央にヒンジがあるデザインよりも折り目の影響を受けにくくなると考えられる。さらに、サムスンはこの新しいデザインに合わせてディスプレイとフィルムをゼロから開発していると報じられており、これまでにない耐久性や質感を備える可能性がある。
加えて、このG字型構造は、使用シーンに応じて異なる形態に変化できることが予想される。折りたたんだ状態では通常のスマートフォンとして、部分的に展開すれば小型タブレットとして、完全に開けば10インチディスプレイのフルサイズタブレットとして利用できると考えられる。
このように、1台で複数のデバイスの役割を果たすことで、ユーザーの利便性を大きく向上させる可能性がある。
10インチ級ディスプレイがもたらす新たな可能性
「Galaxy G Fold」が搭載するとされる約10インチのディスプレイは、スマートフォンとタブレットの境界を曖昧にする重要な要素となる。これまでの「Galaxy Z Fold」シリーズは7〜8インチ級の折りたたみディスプレイを採用していたが、今回のモデルはほぼ10インチに達することで、よりタブレットに近い体験が可能になると考えられる。
10インチディスプレイの利点のひとつは、マルチタスク性能の向上だ。これまでの折りたたみスマートフォンでも、複数のアプリを並行して使用することは可能だったが、画面サイズの制約により快適さが十分とは言えなかった。しかし、10インチに近づくことで、ノートPCのような分割画面操作や、ペンを使った手書き入力がより実用的になる可能性がある。
さらに、動画視聴やゲーム体験も従来の折りたたみスマートフォンとは一線を画すものになるだろう。特に、ストリーミングサービスやクラウドゲームの利用が進む中で、大画面での視聴やプレイが可能なスマートフォンは強い魅力を持つ。
加えて、サムスンはこれまでにSペン対応の折りたたみスマートフォンを開発しており、もし「Galaxy G Fold」もSペンをサポートするなら、クリエイティブ用途やビジネスユースの需要も高まりそうだ。
「Galaxy G Fold」は既存の折りたたみスマホを超えられるのか
「Galaxy G Fold」が実際に登場すれば、従来の折りたたみスマートフォン市場に大きな影響を与える可能性がある。特に、現在主流の「Galaxy Z Fold」シリーズや、競合するHuawei Mate Xシリーズ、Xiaomi Mix Foldシリーズとの比較が注目されるだろう。
従来の折りたたみスマートフォンは、ヒンジ部分の耐久性や折りたたみ時のディスプレイ保護が課題とされてきた。「Galaxy G Fold」のG字型デザインがこれらの問題を克服し、より堅牢な構造を実現するならば、折りたたみスマートフォンの新たなスタンダードとなる可能性もある。
一方で、課題も存在する。G字型の折りたたみ構造は、従来のシングルヒンジよりも複雑な機構を必要とするため、厚みや重量が増す懸念がある。また、バッテリーサイズや折りたたみ部分の耐久性、アプリの最適化など、新しいフォームファクターならではの調整も求められるだろう。
それでも、「Galaxy G Fold」が従来の折りたたみスマートフォンにない魅力を備え、使いやすさや耐久性の面で進化を遂げれば、新しいカテゴリのデバイスとして市場を切り拓く可能性は十分にある。今後の公式発表に注目が集まる。
Source:Neowin