中古デバイスの売買を支援するBack Marketの調査によると、iPhoneは購入後すぐに価値を失い、1年で取引価値の36%が減少するという。特に、古いモデルを放置することで、さらに価値が下がり続ける状況が明らかになった。

同調査では、回答者の81%が使わなくなった技術デバイスを自宅に保管しており、特にスマートフォンが多数を占める。新しいiPhoneシリーズの発表は、旧モデルの下取り価値を急激に低下させる要因となっており、専門家は「早めの売却」を推奨している。古いiPhoneを引き出しに眠らせたままでは、見えない損失が膨らみ続けるだろう。

iPhoneの価値低下を加速させる要因とは

iPhoneの価値が下がる理由の一つとして、新しいモデルの発表が挙げられる。Back Marketの調査によれば、新シリーズが発表されるたびに旧モデルの下取り価格が急落する傾向がある。例えば、現在450ドルの価値がある最新モデルのiPhoneも、新機種のリリース後にはその価格が大幅に下がる可能性が高い。

こうした価格変動の背景には、消費者の需要が新モデルに集中する現象がある。さらに、テクノロジー全般における「陳腐化」のスピードも影響している。古いデバイスはソフトウェアのサポート終了や性能の限界により、次第に実用性を失う。これにより、中古市場での取引価値も低下してしまうのである。こうした事実を踏まえると、使用しないデバイスを早期に手放すことが賢明であるといえるだろう。

使われない技術デバイスが抱える「見えないコスト」

調査によれば、回答者の81%が不要なデバイスを保管しているが、それが放置されたままの状態であることが多い。その理由として、「いつか使うかもしれない」という心理や、「売却方法がわからない」といった実務的な障壁が挙げられる。

実際、51%の人々は「念のため」としてデバイスを保有し続けるが、再利用されることはほとんどない。こうした状況が生み出すコストは単に金銭的な価値低下だけではない。保管スペースの無駄や、放置されたデバイスに含まれるリチウム電池などが環境に与える潜在的リスクもある。

Luke Forshaw氏は、「使用しないデバイスは、早めに売却するか、リサイクルすることで有効活用できる」と述べており、これが資源循環やコスト削減にもつながると強調している。

下取り価格を最大限活用するためのタイミング

古いiPhoneを効率よく手放すには、「適切なタイミング」が重要である。特に新モデルが発表される直前の時期は、旧モデルの価値が最も急激に下落するため、売却を避けるべき時期といえる。一方で、リリースから一定期間経過後も、高値で取引される可能性があるモデルについては注意深く市場を観察することが求められる。

また、調査では古いモデルであっても下取り価格に明確な差があることが示されている。例えば、2016年製のiPhoneは16ドルの価値しかないが、2019年製のモデルでは69ドルと大きく異なる。この事実は、デバイスの製造年や性能が中古市場で重要な指標であることを示している。こうしたデータを活用することで、不要なデバイスを最大限に活用できるだろう。

Source:PhoneArena