iOS 18のPhotosアプリの大規模な再設計は、多くのユーザーにとって歓迎される変化とは言えなかった。旧バージョンの直感的な操作性や親しみやすいデザインが消えたことで、混乱や不満の声が続出している。この新デザインは、未来を見据えた改良として導入されたが、数ヶ月経っても不満が解消されない状況だ。
しかし、完全な旧バージョンの復元は不可能でも、いくつかの設定変更やカスタマイズによって、以前のような使いやすさを取り戻す方法がある。ギャラリー表示の調整、不要なセクションの非表示、固定コレクション機能の活用などが推奨されている。
ユーザーからのフィードバックを受け、Appleも段階的に改良を進めているが、使い勝手を向上させるには工夫が求められる状況だ。
iOS 18のPhotosアプリにおける主要なデザイン変更とその意図
iOS 18で導入されたPhotosアプリの再設計は、Appleの未来志向の方針を反映したものだ。この変更の中心は、タブ構造の廃止と単一のインターフェース採用であった。これにより、ユーザーが上下スクロールで全体のギャラリーとコレクションを行き来できるようになった。しかし、従来の直感的なタブ操作に慣れたユーザーにとっては、この変更は混乱を招いた。
さらに、カテゴリ表示やコレクションの自動整理といった機能が大幅に拡張された一方で、操作性の悪化を指摘する声も多い。たとえば、以前は簡単に切り替えられた「撮影日順」のソートが、複数のステップを経る必要がある。Appleは、こうした変更が長期的なユーザー体験の向上を目指していると述べているが、ユーザーの利便性を犠牲にしている部分もあると評価されている。
これらの設計変更は、Appleが新しい技術やAIベースの画像分類機能を統合する準備を進めていることを示唆している。ただし、革新的な変化が必ずしもすべての利用者に受け入れられるとは限らず、今回の再設計はその典型例と言える。
ユーザーがPhotosアプリをカスタマイズするための具体的な手法
Photosアプリを以前のような使いやすい形に近づけるためには、いくつかの設定変更が効果的である。まず推奨されるのが、ギャラリー表示のカスタマイズだ。下部の矢印アイコンを利用して「最近追加」順に並べ替えることで、最新の写真をすぐに確認できるようになる。また、スクリーンショットを含む全画像の表示を有効にすることで、見落としがちな画像も容易に見つけられる。
さらに、「カスタマイズと並べ替え」ボタンを活用すれば、不必要なセクションを非表示にしたり、重要なコレクションをピン留めしたりすることができる。たとえば、Featured PhotosやRecent Daysを非表示にし、Pinned Collectionsに自身のアルバムを追加することで、より個人的な使い勝手を実現できる。
Appleは、ユーザーが必要な機能を選択して自由に整理できるように設計を工夫しており、これはユーザーエクスペリエンスを改善するための一助と言える。ただし、すべての設定が直感的に行えるわけではないため、設定方法に関するガイドの充実が求められる。
Appleのユーザーフィードバックへの対応と今後の改善
AppleはPhotosアプリに関するユーザーフィードバックを受け、リリース前のベータ段階でいくつかの機能を削減した。この中には、トップに表示されるサイクリングキャロセルが含まれており、ユーザーからの混乱を避けるために廃止された。また、iOS 18.2のアップデートでは、スワイプ操作での画面遷移やフルスクリーン動画再生の簡略化など、ユーザー体験を向上させる改良が追加された。
これらの変更は、Appleがユーザーの声を重視していることを示しているが、改善のペースには限界がある。たとえば、ギャラリー表示を完全に自由にカスタマイズできる機能や、旧バージョンのUIをオプションとして提供するような抜本的な解決策はまだ導入されていない。
AppleInsiderなどのメディアによれば、Appleはユーザーからの提案をさらに収集しているとのことで、公式フィードバックポータルを通じた意見提出が推奨されている。こうした対応が続けば、将来的にPhotosアプリの使い勝手はさらに改善する可能性がある。ただし、その効果が広く行き渡るには時間を要するだろう。