AMDの次世代グラフィックスカード「RDNA 4」シリーズに関する詳細情報がリークされた。デスクトップとラップトップ向けに複数のモデルが発表される予定で、その命名規則や暫定仕様が明らかになった。最上位モデル「Radeon RX 9070 XT」はNvidia RTX 4070 Tiに匹敵する性能が期待されているが、正式な評価は不安定なドライバの影響を考慮する必要がある。

価格は約179ドルから646ドルに設定されると見られ、エントリーモデルからハイエンドまで幅広い選択肢を提供する。CES 2025での正式発表が注目される。

RDNA 4の命名規則が示す新たな戦略

AMDが採用予定の新しい命名規則は、RDNA 4シリーズの位置づけを理解する鍵となる。この規則は、最初の数字が「9」で始まり、次に「0」が続く3桁の構造を採用する。SKUの階層内での位置を示す3桁目が、性能やターゲット層を視覚的に把握しやすくする狙いがある。これにより、従来の命名規則に比べてエントリーモデルとハイエンドモデルの差別化が明確になると考えられる。

この規則の導入は、競合Nvidiaとの差別化を図りつつ、混乱を減らす試みといえる。特に、Radeon RX 9070 XTやRX 9050といった具体的なモデル名がリークされており、消費者が用途や予算に合わせて選択する際の利便性が向上するだろう。一方で、この変更に伴い旧来のシリーズと直接比較しにくくなる可能性もある。これが市場でどのように受け入れられるかが今後の注目点である。

Navi 48とNavi 44のアーキテクチャが示唆する性能の進化

RDNA 4シリーズでは、Navi 48とNavi 44という2つの主要なGPUアーキテクチャが確認されている。Navi 48はハイエンド向けに設計され、64 CUや256ビットバスといった強力な仕様を備える。一方、Navi 44はエントリーモデルに特化し、最大32 CUや128ビットバスといったコンパクトな構成を持つ。この2つのアーキテクチャにより、AMDは幅広いユーザー層をカバーする戦略を示している。

興味深い点は、これらのアーキテクチャが競合するNvidia製品とどのように比較されるかということである。特に、Radeon RX 9060のような中位モデルがRTX 4070 Tiと同等の性能を発揮すると推測される一方で、ドライバの最適化が性能に大きく影響を与える可能性が指摘されている。このことから、実際のユーザー体験や市場の評価は、単なるスペック以上に重要な要素となるだろう。

CES 2025で発表予定の価格設定とその影響

リーク情報によると、RDNA 4シリーズの価格帯は179ドルから646ドルと幅広い設定が予定されている。最も安価なRadeon RX 5040がエントリー層をターゲットにし、最上位のRadeon RX 9070 XTがハイエンド層を狙う構図だ。この価格戦略は、競合製品と比較してコストパフォーマンスを重視するAMDの姿勢を如実に示している。

特に、Navi 44を搭載するエントリーモデルが価格志向の消費者にとって魅力的な選択肢となる可能性が高い。一方で、Navi 48を採用するハイエンドモデルは、性能と価格のバランスがどれだけ支持されるかが焦点となる。NotebookCheckが報じたように、ベンチマーク結果や市場評価が価格の妥当性を左右するため、CES 2025での正式発表が重要な節目となるだろう。