Zhaoxinが2023年末に発表した新しいx86プロセッサ「KaiXian KX-7000シリーズ」は、パフォーマンス向上が期待されたが、AMDやIntelの最新プロセッサには及ばない結果となった。特にシングルスレッド性能では、KX-7000シリーズは大きく劣り、他の主要なCPUに比べて性能差が明確に示された。
マルチスレッド性能やゲームベンチマークでも遅れを取っており、生産性向上や高負荷作業には限界がある。しかし、PCIe 4.0レーンのサポートにより、ストレージ性能には一定の優位性を持つ。中国国内での需要は予想されるものの、グローバル市場では競争力を欠いたままとなっている。
Zhaoxin KX-7000 CPUのパフォーマンスは他社製品に大きく劣る
Zhaoxinの新しいKX-7000シリーズは、これまでのプロセッサよりもパフォーマンスが改善されることが期待されていたが、テスト結果を見る限り、AMDやIntelの競合プロセッサに比べて大きな差があることが明らかになった。
特にシングルスレッド性能では、ZhaoxinのKX-7000/8がCPU-Zベンチマークで335.9というスコアに留まり、AMD Ryzen 5 5600GやIntel Core i3-8100に大きく劣ることが確認された。マルチスレッド性能でも、KX-7000/8は単独で優れたスコアを示したものの、依然としてRyzen 5 5600Gのパフォーマンスには及ばない。
これらの結果は、Zhaoxinが新しいアーキテクチャを採用しているにもかかわらず、依然として数年前の技術に依存していることを示している。
また、CinebenchやPCMark 10 Expressでの結果も同様に、シングルスレッド性能で大きな劣位を示しており、Zhaoxinのアーキテクチャが現代の要求にどこまで適応できるかが疑問視される。特に、効率性や消費電力においても、他のメーカーのプロセッサに比べて不利な点が目立つ。
PCIe 4.0対応のメリットはあるものの、総合的な競争力には欠ける
Zhaoxin KX-7000/8は、PCIe 4.0レーンをサポートしており、この点では一定の優位性を示している。PCIe 4.0のサポートは、ストレージやGPUの性能を向上させる要素となるため、特に高速ストレージを活用するアプリケーションではその利点を発揮する。しかし、この利点が他の重要なパフォーマンス指標を補うことはなく、KX-7000の全体的な性能の不足をカバーするには至らなかった。
特に、ゲーム性能や高負荷な作業負担において、KX-7000/8はその不足したパフォーマンスを補えない。ベンチマークテストでの結果を見る限り、ゲームプレイや重いアプリケーションの処理において、他のプロセッサに大きく差をつけられていることが分かる。
これにより、PCIe 4.0の利点が活きる場面は限られており、総合的な競争力を持つにはパフォーマンス全体のバランスが欠けていることが浮き彫りとなった。
政府指導での需要拡大はあるが、グローバル市場での展開は難航
ZhaoxinのKX-7000シリーズは、中国国内での利用が増える可能性がある。特に、Zhaoxinのプロセッサは中国政府や国営企業向けに推奨されており、外国製プロセッサの使用を避ける動きが強化されている。この政策は、国内でのテクノロジー独立を目指す中国の動きと一致しており、Zhaoxinのプロセッサが重要な役割を果たす可能性が高い。
しかし、グローバル市場ではZhaoxinのKX-7000が競争力を発揮するには限界があり、特に高いパフォーマンスを求められる市場での展開は難しいと考えられる。AMDやIntelのプロセッサが市場を支配しており、Zhaoxinのアーキテクチャがこれらの製品に対抗するには、さらに大きな技術革新とパフォーマンス向上が必要となる。
将来的には、Zhaoxinが海外市場での競争を意識したプロセッサを開発する可能性もあるが、現時点ではその道のりは長いといえる。