Valveがリリースした最新のSteamクライアントが、Windows 7や8でのサポートを正式に終了した。これにより、これらの旧OSを使用するゲーマーは今後新機能を利用できなくなり、アップデートも適用されない。

ValveはMicrosoftが2024年1月にこれらのOSの拡張セキュリティ更新プログラムを終了したことを受け、Chromeへの依存を理由に対応を合わせたと述べている。また、現在ではわずか0.28%のSteamユーザーがWindows 7を使用しているが、アップデート手段が閉ざされているため、ライセンスの購入や新PCの購入が唯一の移行手段となる。

Valveの対応は、ゲーマーのセキュリティと新機能の両立を目指すものであるが、影響を受けるユーザーには困難な選択を強いることとなった。

最新Steamクライアントが要求するOS条件とその理由

Valveが今週初めにリリースした最新のSteamクライアントは、Windows 7および8での動作を終了した。この決定は、Microsoftが2024年1月にWindows 7および8の拡張セキュリティ更新プログラムを終了したことに対応している。

Valveが発表したリリースノートでは、この最新のSteamクライアントはWindows 10以降のOSが必要とされており、技術的にもそれ以前のOSでは新機能のサポートが難しいと説明されている。また、SteamはGoogle Chromeに依存する形で運用されており、Googleが旧OSのサポートを停止したことも、この決定に影響を与えている。

Valveはこうした制約の理由について、セキュリティと機能性の維持が重要であると述べており、ユーザーの安全性を第一に考慮した措置であると強調する。また、現状でのSteamユーザーにおけるWindows 7の使用率はわずか0.28%と低く、旧OSの維持が逆にコストとリスクを増大させていることも背景にある。

Windows 10以降に限定することで、Valveは今後のサービス提供とシステム全体の安定性を確保しようとしていると考えられる。

Windows 7ユーザーに残された選択肢とその課題

SteamがWindows 10以降への移行を前提としたことで、Windows 7および8のユーザーは、今後Steamを利用するためにOSのアップグレードが不可欠となった。しかし、無料でのアップデート手段が閉じられている現在、これらのユーザーは新しいWindowsライセンスの購入や、Windows 10または11がプリインストールされたPCの購入が必要となる。

古いハードウェアを使用している場合、互換性の問題からWindows 10へのアップデートが実質的に困難であるユーザーも多く、結果として相当なコストを強いられるケースが少なくない。MicrosoftやValveの決定は、技術的には妥当であるものの、利用者の選択肢を狭め、特に経済的な負担を伴う問題となっている。

一方で、セキュリティリスクや技術サポートの提供に限界があることを踏まえると、旧OSの利用が長期的に困難であることは避けられない。今後、旧OSに依存するユーザーの一部は、ゲームプラットフォームを移行するか、別のデバイスを検討するなどの対応が求められるだろう。

ゲーマーのセキュリティ意識とValveの方針転換の意義

Valveが今回のアップデートで示した方針転換は、ゲーマーのセキュリティ意識を喚起する意義を持つ。特にオンラインプラットフォームとしてのSteamは、多くのユーザー情報と決済情報を取り扱うため、セキュリティ確保が非常に重要である。

旧OSの利用継続は、サポートを受けられないばかりか、セキュリティ更新が停止することでマルウェアなどのリスクが高まる点も無視できない。ValveがWindows 10以降のみにシフトする背景には、プラットフォーム全体のセキュリティ向上を図り、安全な環境でのプレイを提供する意図があると考えられる。

今後、他のオンラインサービスでも同様のサポート打ち切りが加速する可能性があり、ゲーマーが常に最新のシステムでのプレイ環境を維持することが、プライバシー保護やセキュリティの向上に寄与するだろう。