サムスンが3つ折りの「トライフォールド」スマートフォンを開発中との噂が浮上し、スマートフォン市場に新たな注目を集めている。韓国のニュースメディア「Etnews」によれば、サムスンは二つのヒンジを持つダブルフォールディング型のデバイスを検討しているとされ、もし発売に至れば、同社は世界で初めてトライフォールド機種を投入するメーカーとなる可能性が高い。

既にHuawei Mate XTが中国市場で限定的にリリースされているが、グローバル展開を見据えたサムスンには先行者優位を築くチャンスが残されている。リーカーとして知られるJukanlosreveによると、サムスンは品質へのこだわりを一層強める方針を示しており、特に折り目の目立たないディスプレイや高性能カメラ、柔軟なソフトウェア対応に期待がかかる。

DeXシステムによるデスクトップ機能やSペンのサポートも搭載されれば、「超ポータブルなワークステーション」としての役割を果たし得る。Galaxy Z Fold 6やZ Flip 6といった既存モデルの先進技術を活かしつつ、革新的なフォームファクターで新たな折りたたみ体験を提供する準備を進めているサムスンに業界の視線が集まっている。

トライフォールド技術の革新がもたらす未来の可能性

サムスンが開発を進めているとされるトライフォールド技術は、二つのヒンジを持つことで端末が三つのセグメントに折りたためるデザインを指している。これは従来の折りたたみ式スマートフォンとは異なり、大画面とコンパクト性を同時に提供する新たな方向性である。

具体的には、10インチから11インチのサイズ感を持つ画面を二つ折りではなく三つ折りにすることで、さらなる携帯性が確保され、従来のタブレットに代わるポータブルデバイスの登場が期待されている。トライフォールド技術は他メーカーでも試みられており、例としてHuawei Mate XTがあるが、このモデルは中国市場に限定され、Googleアプリなどが利用できない。

サムスンがグローバル展開を視野に入れている点で、この技術はさらに広範なユーザー層に支持される可能性がある。加えて、サムスンの折りたたみ技術はすでに高い評価を得ているため、トライフォールドが実現すれば、グローバル市場での主導権を握る可能性も高い。

サムスンが業界での立場をさらに強固なものとするためにも、このトライフォールドの成否がカギとなるだろう。

デザインの課題と解決策への期待

トライフォールドが抱える技術的な課題の一つが「折り目の目立ちやすさ」である。これまでサムスンのGalaxy Z Foldシリーズは高い品質を誇りながらも、ヒンジ部分の折り目がディスプレイに残りやすい点が指摘されてきた。

特に、10インチ以上の大画面に三つのセグメントが形成されると、複数の折り目が目立つリスクが高まると考えられる。画面全体をシームレスに保つことが難しいため、ユーザーが視覚的に違和感を感じる可能性があるのだ。

しかし、サムスンは過去のZシリーズで培った技術やノウハウをもとに、この課題に対処する可能性がある。既にOnePlus Openなどが折り目の少ないディスプレイを実現しているが、サムスンが同等の技術を導入すれば競争力を維持しやすいだろう。

特にトライフォールドという新しい構造を持つデバイスでは、折り目を目立たせない技術が新たな基準となる可能性があり、ユーザー体験に大きく寄与するだろう。

トライフォールドとソフトウェアの柔軟性が生む新しいデジタルライフ

サムスンが目指すトライフォールドには、単なるハードウェアの進化だけでなく、柔軟なソフトウェア対応が求められている。サムスンはGalaxyシリーズにおいて、デスクトップモードである「DeX」を提供し、スマートフォンをパソコンのように使える環境を整えてきた。

トライフォールドにもDeXが導入され、さらにSペンやBluetooth対応キーボード・マウスが組み合わせられれば、「スマートフォン」という枠を超えた超小型のワークステーションとして機能することが期待される。

ポケットに収まるタブレットサイズのデバイスが実現すれば、外出先でも効率的に作業が可能となり、モバイルでの生産性を一段と向上させるだろう。これにより、タブレットやノートパソコンとの境界が曖昧になり、デバイス一つであらゆる作業が完結するデジタルライフが近づくことになる。

サムスンがトライフォールドにおいて柔軟なソフトウェアの活用を実現すれば、このデバイスは単なる「大画面スマートフォン」ではなく、個人のデジタルワークスタイルを再定義する存在になるかもしれない。