Apple Watch Series 10のバッテリー寿命が驚くほど向上した。これはAppleの推奨する使用時間を大幅に超えており、その要因はたった一つの設定変更にある。

筆者は「常時表示」機能をオフにしたことで、充電なしで約30時間もの連続使用を可能にした。健康データを損なうことなく、常時表示を無効にすることが、バッテリー持続時間を劇的に改善した理由である。

マラソン向けに選んだApple Watch Series 10

Apple Watch Series 10は、特にマラソンや長時間のトレーニングを行うアスリートにとって理想的な選択である。筆者は元々Apple Watch SE 2を使用していたが、バッテリーの劣化により1日に複数回の充電が必要となり、信頼性が損なわれた。特にマラソンのような長時間の活動中にバッテリーが持たないことは大きな問題であった。そのため、バッテリー寿命が改善された最新のApple Watch Series 10にアップグレードすることを決めた。

Series 10は、バッテリー寿命だけでなく、新たに追加された健康追跡機能や、デザインの改良、さらには高速充電機能を備えている。これにより、日常の健康管理とスポーツトレーニングの両方に最適なツールとしての価値を見出した。また、Apple Watch Series 10は特にアスリート向けに設計されているわけではないが、その充実した機能は、長距離走などの厳しいトレーニング環境でも高いパフォーマンスを発揮する。

このような理由から、筆者はApple Watch Series 10をマラソン向けに選び、その期待に応える結果を得たのである。

常時表示オフがもたらしたバッテリーの向上

Apple Watch Series 10のバッテリー寿命に大きな影響を与えたのは、「常時表示」機能を無効にしたことである。この機能はデフォルトでオンになっており、画面が常に時間や通知を表示する。しかし筆者は、バッテリーの消耗を抑えるためにこれをオフにした結果、驚くべき改善が見られた。常時表示をオフにすることで、バッテリーの持続時間は約30時間にも達し、Appleの公称値である18時間を大幅に上回る結果となった。

常時表示機能をオフにしても、筆者にとって実用性の面では特に不便は感じなかった。腕を上げるだけで時計の情報を確認できるため、日常的な使用には全く問題がない。また、トレーニング中も手首を上げることで画面を点灯させ、データを確認することができる。この設定変更によって、筆者は長時間にわたる健康追跡や、睡眠トラッキングも一度の充電で行うことが可能となった。

この一つの設定変更が、バッテリー寿命を劇的に改善した要因であると言える。

健康データを維持しつつの長時間使用

筆者は、Apple Watch Series 10のバッテリー寿命を最大限に引き出しながらも、健康データの正確な追跡を維持することに成功した。低電力モードを使用すればバッテリーの持続時間はさらに延びるが、これは健康追跡機能の精度に影響を与える可能性があるため、あえて使用しなかった。Apple Watch Series 10は、バッテリーを節約しながらも、心拍数、血中酸素濃度、睡眠パターンなどのデータを正確に測定する。

特に筆者が重視したのは、ランニング中のパフォーマンスや睡眠中の回復をトラッキングする機能である。Apple Watch Series 10では、これらのデータをバッテリーの消費を抑えながらも確実に収集することができた。これは、アクティブなライフスタイルを持つユーザーにとって大きな利点である。また、健康データを常に記録し続けることは、長期的な健康管理にも役立つ。

このようにして、筆者は日常の健康データを損なうことなく、長時間の使用を実現した。

他のモデルとの比較と将来の選択肢

Apple Watch Series 10のバッテリー寿命は非常に優れているが、他のモデルと比較しても一部のユーザーにとってはまだ物足りないかもしれない。例えば、Apple Watch Ultra 2はさらに長いバッテリー寿命を誇っており、極限のアウトドア活動や冒険的なライフスタイルを持つユーザーにとっては、より適した選択肢である。しかし、筆者はApple Watch Ultra 2の大きさに抵抗を感じたため、よりコンパクトなSeries 10を選んだ。

また、将来的にはApple Watchにスクリーンレスモデルが登場することにも期待している。スクリーンを持たないデバイスは、バッテリー寿命をさらに延ばし、健康データのトラッキングに特化したツールとしての価値を持つだろう。現段階では、バッテリー寿命を最大限に引き出すための選択肢として、常時表示機能をオフにすることが最も効果的であると感じている。

このように、現行モデルと比較しながらも、将来的な選択肢を考慮しつつApple Watchの進化を楽しみにしている。