HUAWEIのMate XTは、世界初のトリプルスクリーンを搭載したフォルダブルスマートフォンである。驚異的な技術を詰め込んだこのデバイスだが、その修理費用は非常に高額だ。例えば、ディスプレイの交換には1,125ドル以上、マザーボードの交換には1,500ドルを超える費用がかかる。

これらの修理費用は、新たに他のフォルダブル端末を購入するのとほぼ同じ額になる。

世界初のトリプルスクリーンフォルダブル「Mate XT」

HUAWEI Mate XTは、スマートフォン業界で革新的な製品として登場した。最大の特徴は、トリプルスクリーンを備えた世界初のフォルダブルスマートフォンである点だ。Mate XTは、内向きに折りたたむヒンジと外向きに折りたたむヒンジを組み合わせたデザインを採用しており、これにより三つの異なる形態を持つことができる。通常のスマートフォンのようにコンパクトに持ち運ぶことができる一方、半分広げれば大画面のフォルダブルスマホとして使え、完全に広げればタブレットとして機能する。

このような複数の形態を一台に収めたMate XTは、技術的にも高い評価を受けている。しかし、トリプルスクリーンという先進的な設計は、価格にも影響を及ぼしている。中国市場における販売価格は、最も安いモデルでも約2,800ドル(19,999元)に達しており、上位モデルでは3,300ドル(23,999元)を超える。この高額な価格設定は、最新技術を搭載したスマートフォンの中でも特に高価な部類に入る。

Mate XTは、現在のところ中国国内でのみ販売されているが、その特異な設計と高性能なスペックから、世界市場でも注目されている。

修理費用が予想外の高額に

Mate XTは購入時の価格が高額なだけでなく、修理費用も非常に高いことで知られている。特にトリプルスクリーンを搭載しているため、ディスプレイの交換費用は1,125ドル(7,999元)に達し、これは通常のスマートフォンの修理費用と比べても驚異的な額である。さらに、スクリーンを保持したまま新しいディスプレイに交換する場合、費用はさらに上がり、約1,375ドル(9,799元)にもなる。

また、最も高額な修理費用が発生するのは、マザーボードの交換である。Mate XTの1TBモデルのマザーボード交換には約1,500ドル(10,699元)の費用がかかる。この価格は、一般的なスマートフォンの本体価格に匹敵するため、修理を行うかどうかは慎重に考える必要がある。その他の部品の交換費用は比較的安価で、バッテリーの交換には約70ドル(499元)、カメラの修理には最大で約105ドル(759元)の費用がかかる。

このように、Mate XTの修理費用は高額であり、特にディスプレイやマザーボードの故障は大きな経済的負担となる。

競合製品とのコスト比較

Mate XTの修理費用がこれほど高額であるため、同じ価格帯の競合製品と比較すると、興味深い事実が浮かび上がる。たとえば、SamsungのGalaxy Z Flip 6は、中国市場で7,999元(約1,120ドル)で購入可能であり、この価格はMate XTのディスプレイ交換費用とほぼ同じである。つまり、Mate XTのスクリーンを修理する代わりに、全く新しいフォルダブルスマートフォンを購入するという選択肢が現実的に考えられるほど、修理費用が高い。

同様に、最新のフォルダブルスマートフォンであるMotorola Razr PlusやGoogle Pixel Foldなども、Mate XTの修理費用と同等かそれ以下の価格帯で手に入る。これらの製品は、Mate XTと同様に折りたたみ機能を備えているが、修理コストの面でははるかに現実的であることが多い。

このように、Mate XTの修理費用が競合製品の新規購入とほぼ同じレベルであることを考慮すると、修理ではなく、他のフォルダブルデバイスへの買い替えを検討するユーザーも少なくないだろう。

修理リスクを考慮した購入判断

Mate XTは、その革新的なデザインと高度な技術で魅力的な製品である一方、購入後の修理リスクを考慮する必要がある。前述のように、ディスプレイやマザーボードの交換費用は非常に高額であり、これらが故障した場合、新しいスマートフォンを購入するのと同じくらいのコストがかかる。このため、Mate XTを購入する際には、慎重な判断が求められる。

特に、HUAWEIは現在のところMate XTを中国市場でのみ展開しており、海外ユーザーにとって修理の選択肢が限られている可能性がある。また、トリプルスクリーンという複雑な設計は、故障のリスクを高める要因ともなり得る。このため、Mate XTを購入するユーザーには、十分な保証や保険が提供されるかどうかを確認することが重要である。

高額な価格と修理コストを考慮しつつ、Mate XTを長期的に使うための慎重なメンテナンスが求められるだろう。