Windows 11の最新Beta版が、ファイル整理の手間を大幅に減らす新機能を導入した。特に注目すべきは、ファイルエクスプローラーに追加された「おすすめのファイル」セクションだ。これにより、最近使用したファイルや頻繁にダウンロードするデータが即座に表示されるようになり、探し回る手間が軽減される。
さらに、ユーザーがよく「スナップ」するアプリの組み合わせを認識し、スタートメニューで推奨表示する機能も追加された。これにより、頻繁に同時使用するアプリの起動がスムーズになり、作業効率が向上する。現在、Windows Insider向けにBeta版が提供されており、正式リリースに向けた改善が進められている。
ファイルエクスプローラーに「おすすめのファイル」セクションが追加 使い勝手が大きく向上
Windows 11 Beta版では、ファイルエクスプローラーのホーム画面に「おすすめのファイル」セクションが新たに導入された。これは、ユーザーが頻繁に使用するファイルや最近ダウンロードしたデータを自動でピックアップし、すぐにアクセスできるようにする機能だ。
MicrosoftアカウントまたはローカルアカウントでサインインしているすべてのWindows Insiderユーザーが利用可能で、ファイルの検索時間を大幅に短縮できる。従来、Windowsのファイル管理はフォルダ単位での整理が基本であり、必要なデータを探すには手動での検索やフォルダ内を一つひとつ確認する必要があった。
しかし、「おすすめのファイル」は、使用頻度やダウンロード履歴を基にシステムが自動的にリストアップしてくれるため、ユーザーは手間をかけずに求めているデータへ素早くアクセスできるようになる。この機能は特に、仕事や学習のために頻繁にファイルを扱う人にとって利便性が高い。
最近使用した書類、よく開く画像、ダウンロードしたばかりのPDFファイルなどを瞬時に見つけられるため、従来のようにファイルエクスプローラーの深い階層を掘り下げる必要がなくなる。正式版に実装されれば、多くのユーザーにとって実用性の高いアップデートとなるだろう。
スナップしたアプリをスタートメニューで推奨 マルチタスクがさらに快適に
Windows 11 Beta版では、新たに「スナップ」したアプリの組み合わせを認識し、それらをスタートメニューで推奨表示する機能が搭載された。スナップとは、複数のアプリを画面の左右や四隅に整理し、並行作業をしやすくする機能だ。この新機能により、ユーザーはよく使用するアプリのセットをワンクリックで起動できるようになる。
例えば、エクセルでデータを整理しながらブラウザで調査を行う、Wordで文章を作成しつつメールソフトを開いて参照するといった作業を日常的に行う場合、Windows 11はそれらの組み合わせを学習し、スタートメニューの推奨欄に表示する。これにより、作業のたびに手動でアプリを開く手間が省け、業務効率が向上する可能性がある。
Microsoftは現在、この機能がユーザーのワークフローにどのような影響を与えるかを検証中であり、Windows Insiderユーザーからのフィードバックを求めている。正式リリースまでに最適化が進むと考えられるが、もしこの機能が実装されれば、日常的にPCを活用するユーザーにとって大きなメリットとなるだろう。
欧州経済地域のユーザーは新機能が利用不可 今後の展開に注目
今回のWindows 11 Beta版で追加された「おすすめのファイル」機能は、欧州経済地域（EEA）のユーザーには現時点で提供されていない。この制限の理由についてMicrosoftは明確にしていないが、EEAではデータ保護規制が厳しく、ユーザーのファイルアクセス履歴を活用する仕組みに対し、GDPR（一般データ保護規則）との適合性が問われている可能性がある。
EEAのユーザーがこの機能を利用できるようになるには、Microsoftがプライバシー関連の要件を満たし、規制当局の承認を得る必要があると考えられる。一方で、他の地域のユーザーはすでに新機能を試すことができるため、正式リリース時にはEEA向けに仕様が調整される可能性が高い。
Windows 11は、これまでにもプライバシー保護の強化を図りながら新機能を展開してきた。今回の制限も一時的なものである可能性があり、EEAのユーザーにも同様の機能が適用される日が来るかもしれない。今後のアップデートでどのような調整が加えられるのか、引き続き注目していきたい。
Source：XDA