Appleがついに折りたたみスマホ市場に参入する見込みだ。韓国メディアET Newsによると、同社は2024年後半に生産を開始し、2026年の発売を目指しているという。最大の注目点は、既存の折りたたみ端末で避けられなかった「折り目(クリース)」を完全に排除する設計だ。
ディスプレイの折り目問題は長年、折りたたみスマホの最大の課題とされ、SamsungやHuawei、Googleといったメーカーも解決に苦戦してきた。Appleは「コストを問わず」この課題を克服することを決定し、専用の新素材を開発したとの情報もある。
Appleが挑む「折り目ゼロ」の設計とは
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Appleが開発を進めている折りたたみスマホの最大の特徴は、「折り目(クリース)」の完全排除にある。既存の折りたたみスマホでは、ディスプレイを開閉するたびに折り目が目視できる状態になり、触ったときの違和感も残る。SamsungのGalaxy Z Foldシリーズをはじめ、HuaweiやGoogleの折りたたみ端末でも、この問題は完全には解決されていない。
韓国メディアET Newsによると、Appleはこの課題を解決するために「コストを問わず、折り目を完全に排除する」との方針を固めたという。さらに、新たな素材特性を開発することで、ディスプレイの滑らかさを維持しながら折りたたみ構造を実現しようとしているようだ。この技術が実用化されれば、従来の折りたたみスマホの課題を根本的に解決する革新となる可能性がある。
しかし、折り目のないディスプレイを実現するには、既存の折りたたみ機構とは異なる新たなヒンジ技術やディスプレイ構造が必要になる。Appleはヒンジ部分の設計をMacBookのヒンジを手がけるAmphenol社と協力して進めており、これまでのスマートフォンにはない独自のメカニズムを採用する可能性がある。
Appleの折りたたみスマホは「iPhone Flip」ではない?
折りたたみスマホのデザインには大きく分けて2種類がある。1つはGalaxy Z Flipシリーズのように縦に折りたたむ「クラムシェル型」、もう1つはGalaxy Z Foldシリーズのようにタブレットサイズに展開する「ブック型」だ。当初、Appleは「iPhone Flip」とも呼ばれるクラムシェル型のデバイスを開発しているとの噂があったが、最新のリークではブック型のデザインが有力視されている。
ET Newsの報道によれば、Appleの折りたたみスマホは展開時に「12インチ以上」のディスプレイを持つ可能性がある。一方で、著名リーカーDigital Chat Stationは「7.74インチの内側ディスプレイ」になると予測しており、具体的なサイズについては未確定だ。しかし、いずれにしても従来のiPhoneシリーズとは一線を画す大型ディスプレイを採用することになりそうだ。
もしブック型のデザインが採用されるなら、単なるスマートフォンではなく、iPadとiPhoneの中間的なデバイスとしての役割を持つ可能性もある。Appleがこの形状を選んだ理由は、単に「折りたためるスマホ」を作るのではなく、従来のスマホにはない新たな体験を提供する狙いがあるのかもしれない。
2026年発売が有力視されるAppleの折りたたみスマホ
Appleの折りたたみスマホは、2024年後半に生産が開始される見込みで、発売は2026年後半と予測されている。ET Newsによれば、通常のiPhoneシリーズと同じく9月の発表イベントでお披露目される可能性があるという。一方、BloombergのMark Gurman氏は「2025年にも登場する可能性がある」と報じており、正式な発表時期には依然として不確定要素が多い。
発売時期が2026年になると、iPhone 18シリーズと並んで登場する可能性が高い。その場合、Appleがどのように製品ラインを差別化するのかが焦点となる。折りたたみスマホは通常のiPhoneとは異なる価格帯になると予想されており、プレミアムモデルとして位置づけられる可能性が高い。
Appleが折りたたみスマホ市場に参入することで、現在SamsungやHuaweiが主導する市場にどのような影響を与えるのかも注目される。特に、Appleが「折り目ゼロ」の設計を実現した場合、他社の折りたたみスマホとの差別化が大きく進むことになるだろう。SamsungのGalaxy Z Fold 6が依然として折り目の問題を抱えていることを考えると、Appleの技術が業界全体の新たな基準を作る可能性もある。
Source:Tom’s Guide