世界最大級のモバイル技術展示会「MWC 2025」が3月3日からバルセロナで開催される。今年はXiaomiやNothingといった中国・新興メーカーが存在感を強め、SamsungやHonorの最新フラッグシップモデルも注目の的となる見込みだ。
特にXiaomiは「Xiaomi 15 Ultra」を発表すると予想され、昨年のカメラ性能で話題を呼んだ前モデルを超える進化が期待される。Nothingも新機種「Nothing Phone (3a)」シリーズを発表予定で、チップセットの変更が話題を呼ぶかもしれない。
また、AI機能の進化や、スマートリング、ARグラスなどのウェアラブルデバイスの最新動向も見どころの一つだ。MWC 2025では、次世代モバイル技術の行方を決定づける発表が多数行われることになりそうだ。
Xiaomi 15 Ultraの進化とスマートフォンの次なる競争軸

XiaomiがMWC 2025で発表すると見られる「Xiaomi 15 Ultra」は、昨年のXiaomi 14 Ultraの成功を踏まえ、さらなる進化を遂げると期待されている。前モデルはカメラ性能の高さで注目を集めたが、新機種ではAIを活用した画像処理技術の強化や、センサーサイズの向上が予想される。特に、スマートフォンのカメラ性能が一眼レフと競う水準に近づく中で、どこまで画質向上が実現するのかが注目されるポイントだ。
また、Xiaomiはこれまでのフラッグシップモデルで独自の画像処理エンジンを採用してきたが、今回のモデルではAIを用いたリアルタイム補正や高度な夜景撮影技術が強化される可能性が高い。SamsungのGalaxy S25 UltraやAppleのiPhone 16 ProシリーズがAIによる写真補正機能を搭載すると予測される中で、Xiaomiがどのような差別化を図るのかが鍵となる。
さらに、Xiaomi 15 Ultraはバッテリー性能の向上も期待される。Snapdragonの最新チップセットを採用することで、省電力化と処理能力の向上が見込まれ、長時間の動画撮影や高負荷のゲームプレイにも対応しやすくなるだろう。ハードウェア性能が年々向上する中で、ユーザーにとって実用性のある進化が求められるが、Xiaomiがその期待にどこまで応えられるかが、今回のMWCで明らかになるはずだ。
Nothing Phone (3a)の発表とデザイン戦略の変化
Nothingは、透明デザインと独自のUIで注目を集めてきたが、今回発表が期待されるNothing Phone (3a)と3a Proでは、これまでの方向性を維持しつつ、新たな試みがあるかもしれない。最大の変更点として、チップセットが従来のMediatek製からQualcomm製のSnapdragonに変更される可能性が高い。この移行によって、より安定したパフォーマンスやソフトウェア最適化の向上が期待できる。
また、Nothingの製品はこれまでミニマルなデザインと独自のLEDライトによる通知システム「Glyph Interface」が特徴だったが、Phone (3a)ではデザインの洗練が進み、より実用的な方向にシフトするかもしれない。特に、耐久性の強化や、指紋認証センサーの改善など、デザインだけでなく使い勝手の向上が求められる段階に来ている。
一方で、Nothingは高価格帯のスマートフォン市場ではなく、手頃な価格で独自性のある製品を提供する戦略を取ってきた。今回のMWCでは、Nothingがどのような価格帯で新モデルを投入するのかが注目されるポイントだ。フラッグシップモデルとなるNothing Phone 3の発表は2025年後半と見られているが、その前に3aシリーズで市場の反応を探る可能性がある。Nothingがユーザーの期待を超える新しい体験を提供できるかどうか、MWC 2025での発表が待たれる。
スマートリングとAIデバイスの未来 MWC 2025での新たな展開
MWC 2024で大きな話題を集めた「Samsung Galaxy Ring」だが、2025年はスマートリング市場がさらに活発化すると予想される。OuraやUltrahumanといった企業が次々と新モデルを投入し、健康管理デバイスとしての精度向上や、スマートフォンとの連携強化が進んでいる。特に、Samsungの次世代スマートリングが登場する可能性もあり、新たなバイオメトリクス技術やより高度な睡眠トラッキング機能が搭載されるかもしれない。
一方で、昨年話題となったAI専用デバイス「Humane AI Pin」や「Rabbit R1」は、MWC 2025ではあまり目立たない存在になる可能性がある。これらのデバイスは、発表当初は革新的なコンセプトとして注目されたが、実際の使用感では期待を下回る部分も多かった。特に、スマートフォンがAIアシスタント機能を強化し続ける中で、専用デバイスの必要性が薄れてきた点が影響している。
MWC 2025では、AIがスマートフォンだけでなく、スマートウォッチやスマートグラスといったウェアラブルデバイスにどのように統合されるのかも見どころの一つとなる。AppleのVision Proが市場に登場したことで、空間コンピューティング分野にも注目が集まっており、OppoやSamsungがどのようなアプローチを見せるのかが興味深い。スマートリングやAIデバイスは、今後のモバイル技術の方向性を示す重要な指標となるだろう。
Source:CNET