iPhone版Geminiアプリがアップデートされ、ホーム画面のデザインが刷新された。キーボードが自動的に開く仕様になり、よりスムーズな操作が可能となる。

入力フィールドが画面全体の幅に広がり、シンプルでミニマルなデザインに変更。従来のマイクとカメラのアイコンが廃止され、代わりに音声入力と「Gemini Live」のボタンが配置された。また、プラスメニューからカメラやギャラリー、ファイルに直接アクセスできるようになった。

このデザイン変更により、アプリ起動後すぐに入力が可能となり、Geminiの利用がさらに効率的に。最新バージョン1.2025.0670001で適用されるが、更新後に反映されない場合はアプリの再起動が推奨される。

iPhone版Geminiの新デザインがもたらす操作性の変化

今回のアップデートで最も注目すべき点は、アプリ起動時にキーボードが自動で開く仕様になったことだ。これにより、ユーザーは即座に入力を開始でき、ワンタップの手間すら省かれる。特に日常的にGeminiを活用している人にとっては、ストレスなく質問や命令を送れる点が大きな利便性向上となる。

また、従来のホーム画面にあったマイクやカメラのアイコンが整理され、シンプルなデザインに統一されたことで、視認性も向上している。音声入力のボタンは残されており、テキスト入力と音声入力のどちらもスムーズに切り替えられるのはこれまで通りだ。一方で、カメラ機能へのアクセスはプラスメニューに統合され、操作体系がやや変わった点は慣れが必要かもしれない。

この変更は、Geminiがより直感的に使えるようにするための最適化と考えられる。入力フィールド上部の区切り線がなくなり、画面全体と一体化したようなデザインになった点も、Googleのシンプル志向を反映している。Geminiは日常のあらゆるシーンで使われるAIアシスタントとして進化しており、ユーザーの手間を減らす設計が今後も続く可能性がある。

新機能Gemini Advancedと最新AIモデルの進化

今回のアップデートでは、UIの変更だけでなく、Gemini Advancedによる高度な応答機能が強化された。過去のチャット履歴を参照し、よりコンテキストを考慮した回答が可能となったほか、情報ソースの改善により関連コンテンツの表示が向上している。これにより、より詳細で的確な情報を提供する仕組みが整えられた。

また、AIモデルのアップデートも進行しており、「2.0 Flash」や「2.0 Pro Experimental」などの新しいモデルが導入されている。特に「2.0 Flash Thinking Experimental」は複数ステップの推論に適しており、従来のモデルに比べて論理的な思考が求められる質問にも対応できるようになった。さらに、「1.5 Pro」ではDeep Research機能が利用可能になり、より深い分析や詳細なリサーチを行う場面で活躍が期待される。

これらの進化は、Geminiが単なるAIアシスタントから、より高度な情報処理が可能なツールへと変化していることを示している。今後もGoogleはAIの推論力や応答精度を高める方向へ進むと考えられ、今後のアップデートにも注目が集まる。特に、無料ユーザー向けの機能強化が進めば、より多くの人が最新AIの恩恵を受けることができるだろう。

iPhone版Geminiの今後の展開と課題

今回のアップデートでは、デザインの刷新や機能向上が図られた一方で、いくつかの課題も考えられる。まず、キーボードが自動で開く仕様は、即座に入力できるという利点があるが、一部のユーザーにとっては意図せずキーボードが開いてしまうことが煩わしく感じられる可能性もある。特に、情報を閲覧するだけの用途でGeminiを利用する場合、この変更が逆に操作性を下げる要因になり得る。

また、従来のカメラやギャラリー機能がプラスメニューに統合された点も、ユーザーによってはアクセスの手間が増えたと感じるかもしれない。UIの整理は視認性向上につながるものの、機能の配置変更によって一部の操作フローが変わることで、慣れるまで時間を要するケースも想定される。

さらに、Gemini Advancedの進化により、より高度な情報処理が可能となる一方で、一部の機能がサブスクリプション向けに限定されている点も注視する必要がある。高度なAIモデルの利用には追加課金が必要となる場合があり、無料版ユーザーとの機能差が広がる可能性がある。Googleが今後、どのような形で無料版の機能強化を進めていくかが注目される。

今回のiPhone版Geminiのアップデートは、操作性向上とAIの進化という二つの側面で大きな変化をもたらした。ただし、すべてのユーザーにとって最適な仕様とは限らず、今後のアップデートでさらなる改善が行われるかどうかがポイントとなるだろう。

Source：9to5Google