折りたたみスマートフォン市場において、ディスプレイの「折り目」問題は長らくユーザーの関心事であった。最新情報によれば、Samsungの次期モデル「Galaxy Z Fold 7」は、新しいヒンジ技術の採用により、この折り目が「ほぼ見えない」レベルまで改善されると報じられている。
一方、OnePlusの新型「Open 2」も、折り目の軽減に成功しているとされ、2月20日の発表が予定されている。これらの進化により、折りたたみスマホのユーザー体験が大きく向上する可能性が高まっている。
Galaxy Z Fold 7が採用する新ヒンジ技術とは?
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Galaxy Z Fold 7の最大の進化点とされるのが、折り目を軽減する新しいヒンジ技術である。現行モデルであるGalaxy Z Fold 6の特別版でも折り目が残っているとの指摘があったが、Samsungは次世代モデルでこれを大幅に改善することを目指している。
新ヒンジの設計では、ディスプレイをより平坦に折りたためる構造を採用し、従来のU字型からよりスムーズなV字型に近い形状へと変更される可能性がある。折りたたみスマートフォンのヒンジ技術は、単なる機構の問題ではなく、ディスプレイ素材や耐久性にも大きく関わる。
SamsungはUltra Thin Glass(UTG)を継続採用するとみられており、新たな折りたたみ構造に最適化された改良版が導入されると予想される。従来のUTGは耐久性が向上したものの、折り目が完全には消えず、特に光の当たり方によっては目立つことがあった。このため、新しいヒンジがどれほど実用的な改善をもたらすのかは、実機のテスト結果を待つ必要がある。
一方、Samsungが今回のヒンジ改良をGalaxy Z Flip 7にも適用するのかは不明だ。従来の傾向では、Foldシリーズの技術がFlipシリーズに後から採用されることが多いため、折り目軽減技術が即座にFlipモデルに反映されるとは限らない。もしGalaxy Z Fold 7での改良が顕著であれば、次世代のFlipシリーズにも同様の進化が期待されるだろう。
OnePlus Open 2が折り目問題を先に解決した理由
折りたたみスマートフォンの折り目を減らす競争は、Samsungだけのものではない。OnePlus Open 2(Oppo Find N5としても知られる)は、既存の折り目問題を大幅に軽減したとされ、Samsungよりも先に「ほぼ折り目なし」のディスプレイを実現する可能性が高い。OnePlusは、前モデルのOpen(Find N3)においても、折り目の目立ちにくいヒンジ設計を採用していた。
特に、従来のGalaxy Z Foldシリーズと異なり、ディスプレイの曲げ方がより浅く、より均等な圧力がかかる構造を持っていたことが大きなポイントだった。OnePlus Open 2では、さらに新しい「水滴型ヒンジ」が採用されるとみられている。水滴型ヒンジは、折りたたみ時のディスプレイの曲率を緩やかにし、折り目の発生を抑える効果がある。
OppoやHuaweiはすでにこの技術を採用しており、OnePlusも同様の設計を進化させている可能性がある。さらに、OnePlus Open 2は折りたたんだ状態でわずか4mmという驚異的な薄さを実現する見込みだ。これにより、折りたたんだ際のヒンジ部分の隙間を最小限に抑えることができ、結果として折り目をより見えにくくすることが期待される。
SamsungはGalaxy Z Fold 7で折り目を減らす技術を改良するとされるが、OnePlus Open 2が先行してこの課題を解決しつつある点は注目に値する。特に、発表時期の違いにより、OnePlus Open 2はGalaxy Z Fold 7よりも数か月早く市場に登場する可能性が高い。そのため、実際の使用感においてどちらの折り目軽減技術が優れているのかは、消費者の反応によって判断されることになるだろう。
折りたたみスマホの未来は「折り目ゼロ」へ進むのか?
折りたたみスマートフォンの技術進化において、折り目を完全になくすことが最終目標とされている。現在の市場では「折り目が目立たない」レベルに到達しつつあるが、完全なフラットディスプレイは依然として実現していない。SamsungやOnePlusだけでなく、HuaweiやGoogleも折りたたみスマホの開発を進めており、今後数年で「折り目ゼロ」の端末が登場する可能性がある。
折り目をなくすためには、ヒンジの改良だけでなく、ディスプレイ素材の革新も必要となる。現在のUTG(Ultra Thin Glass)は一定の柔軟性を持つが、完全にシームレスな折りたたみには限界がある。このため、将来的には新しいポリマー素材やナノコーティング技術が導入される可能性が高い。
特に、Samsung Displayは次世代の「自己修復型」ディスプレイ技術の研究を進めており、微細な折り目を自動的に修復する機能を備えたスクリーンの開発が進められている。また、折り目を減らすことは、耐久性や防水性の向上にも直結する。
従来の折りたたみスマホは、ヒンジ部分が水やホコリの侵入を許しやすかったが、ヒンジをより密閉できる設計が進めば、IPX8などの防水規格をさらに強化できる可能性がある。実際、SamsungはGalaxy Z Fold 5で防水性能を向上させたが、折り目軽減と同時に防水性を強化することは技術的に難しく、今後の折りたたみスマホにおける大きな課題の一つとなるだろう。
現時点では、OnePlus Open 2が折り目軽減技術の先行者となる可能性が高いが、SamsungがGalaxy Z Fold 7でどこまでその差を埋められるかが注目される。折りたたみスマートフォン市場は、単なるディスプレイの進化だけでなく、耐久性・防水性・軽量化といった多方面の改良が求められている。
折り目が消えた先に、折りたたみスマホの「完成形」とも呼べるデバイスが登場するのか、今後の技術革新が鍵を握ることになりそうだ。
Source:PhoneArena