新型iPhone SEがいよいよ登場する。Bloombergの記者マーク・ガーマン氏によれば、Appleは今週にも「iPhone SE 4」を発表する見込みだ。Appleがこのシリーズを刷新するのは約2年ぶりであり、手頃な価格で最新機能を求める層にとって注目のモデルとなる。
新型の最大の特徴は、これまでの4.7インチから6.1インチへと大幅に拡大したディスプレイだ。これにより、最新のiPhone 16シリーズと同等の画面サイズを実現している。また、A18チップを搭載し、Apple独自のAI機能「Apple Intelligence」を利用できる可能性も指摘されている。これは、従来のiPhone SEでは考えられなかった進化といえる。
デザイン面では、画面上部にカメラノッチを採用し、背面カメラは従来通りのシングルレンズ構成となる。さらに、確認されているカラーバリエーションにはマットブラックが含まれるという。価格は約500ドル(約7万5000円)になると予測されており、フラッグシップモデルと比べて手頃な価格で最新の性能を体験できる点が魅力となる。正式な発表は間近とされており、Appleの動向に大きな注目が集まっている。
有機ELではなくLCDを採用 コストとのバランスに注目
iPhone SE 4のディスプレイは6.1インチに拡大されるが、パネルの種類は有機ELではなくLCDが採用されると報じられている。これは、最新のiPhone 15シリーズが有機ELディスプレイを標準搭載していることと対照的だ。LCDを採用する最大の理由はコスト削減と考えられる。iPhone SEシリーズは価格を抑えつつ、最新の性能を提供することを目的としたモデルであり、Appleは過去のSEモデルでも同様のアプローチを取ってきた。
一方で、LCDパネルには長寿命や低消費電力といったメリットもある。特に、暗い場所での目の負担が少なく、画面焼けが発生しにくい点は、有機ELとの差別化ポイントとなる。ただし、コントラスト比や色の鮮やかさでは有機ELに劣るため、これをどう感じるかはユーザー次第だ。
また、ディスプレイサイズが拡大したことで、iPhone SEシリーズのこれまでの特徴であったコンパクトさは薄れることになる。片手操作のしやすさを重視していた層にとっては評価が分かれる可能性もある。ただ、6.1インチというサイズは現行のiPhone 15やiPhone 16と同等であり、標準的なスマートフォンのサイズ感に統一されると捉えることもできる。
Touch IDからFace IDへの移行はなし 指紋認証を継続
ディスプレイの大型化が進む一方で、生体認証に関してはiPhone SE 4でもTouch IDが継続採用されるとみられている。これは、iPhone SEが過去のモデルでも一貫して指紋認証を採用してきた流れを受け継ぐものだ。Appleは最新のiPhone 15やiPhone 16シリーズでFace IDを標準搭載しているが、SEシリーズでは引き続き指紋認証を重視する方針のようだ。
Touch IDの継続にはいくつかの理由が考えられる。まず、Face IDを導入するにはTrueDepthカメラシステムが必要となるが、これを搭載すると製造コストが増加し、価格の上昇につながる可能性が高い。また、Touch IDはマスク着用時や手袋をしたままの状態でも利用しやすく、特に寒冷地のユーザーには評価される点だ。
一方で、AppleがFace IDをSEシリーズに搭載しないのは、上位モデルとの差別化を維持するためとも考えられる。もしSEにもFace IDが採用されれば、iPhone 16やiPhone 15との違いが少なくなり、廉価モデルの枠組みを超えてしまう可能性がある。指紋認証を維持することで、SEシリーズの独自性を保ちつつ、コストパフォーマンスを最適化する狙いがあるといえる。
A18チップ搭載で性能向上もRAM容量は未知数
iPhone SE 4は最新のA18チップを搭載すると報じられており、処理性能の向上が期待されている。AppleはiPhone 16シリーズにもA18チップを採用しており、これによりSE 4もハイエンドモデルに近い性能を持つことになる。ただし、搭載されるRAMの容量については明らかになっておらず、ここが大きなポイントとなる。
RAMの容量は、端末の動作速度やマルチタスク性能に大きく影響を与える要素だ。iPhone SE 3は4GBのRAMを搭載していたが、もしSE 4も同じ仕様であれば、iPhone 16シリーズと比べて動作のスムーズさに差が出る可能性がある。一方で、Appleはハードウェアとソフトウェアの最適化に強みを持っているため、RAMの搭載量が多少少なくても快適に動作するように設計されることは間違いない。
また、A18チップの搭載によって、iPhone SE 4でもApple Intelligenceの一部機能が利用可能になる可能性がある。ただし、AI機能がどの程度制限されるのかは不明であり、SE向けにカスタマイズされたバージョンが搭載されることも考えられる。いずれにせよ、処理性能の向上によって長期的なソフトウェアアップデートへの対応力も強化されるため、長く使える端末としての魅力が増すことは間違いない。
Source:Mashable