Nvidiaの新型GPU「RTX 5090」とされる画像が、中国のフォーラムで公開された。この画像では、巨大なGPUダイと16基のVRAMモジュールを備えたPCBが確認でき、同製品は32GBのGDDR7メモリを搭載するとされる。

また、GPUダイはGB202-300-A1という名称で、744平方ミリメートルと消費者向けでは異例の大きさを誇る。この仕様は、データセンター向けGPUに匹敵するレベルであり、2018年以来最大の設計となる可能性がある。

RTX 5090は21,760基のCUDAコアを搭載し、パフォーマンスの新基準を打ち立てると見られている。さらに、来月開催されるCESで正式発表が予定されており、価格やさらなる詳細が注目される。噂や憶測が飛び交う中、この製品が市場にどのようなインパクトをもたらすのか期待が高まっている。

RTX 5090の性能の中核を担う「GB202」ダイの可能性

RTX 5090に搭載されるとされる「GB202-300-A1」ダイは、744平方ミリメートルという圧倒的な大きさを誇り、消費者向けGPUでは異例の設計である。このサイズは2018年のTITAN VやRTX 2080 Tiをも超えるものであり、データセンター向けのGPUに匹敵する規模であることから注目を集めている。さらに、21,760基のCUDAコアを備え、170のストリームマルチプロセッサ(SM)が稼働すると見られている。

この仕様は、高性能グラフィックスを要求するゲームやクリエイティブ作業において新たな基準を打ち立てる可能性を秘めている。これまでNvidiaは消費者向けGPUにおいてより小型化を重視してきたが、今回の設計はその方針を覆す動きとも取れる。

これは、AI技術や高度な計算需要が高まる中で、消費者市場においてもデータセンター級の性能を求める声が増している背景を反映していると考えられる。

一方で、これほどの巨大なダイサイズがもたらす熱設計や消費電力への影響、そして製造コストの上昇が懸念材料として挙げられる。Nvidiaがどのような冷却技術や効率化を実現するのかが、今後の注目ポイントとなるだろう。


GDDR7メモリの採用が示す次世代技術の進化

RTX 5090は、32GBのGDDR7メモリを搭載するとされており、これまでのGPUメモリ技術を大きく進化させるものとなる。このGDDR7メモリは、28Gbpsという驚異的なデータ転送速度を実現するSamsung製モジュールを採用する可能性が高い。この速度は、現行のGDDR6Xを超える性能を示し、帯域幅の大幅な拡大による処理効率の向上が期待される。

特に、高解像度のゲームや複雑なレンダリング作業、AIベースの推論処理において、このメモリの高速性がユーザー体験を大きく向上させるだろう。また、16基のVRAMモジュールにより、アップグレードの可能性も残されている点は、未来の技術進化に対応した柔軟性を持つ仕様といえる。

ただし、こうしたハイエンド技術の実装は、価格上昇や製品の普及性への影響も懸念される。GDDR7の導入が市場全体の標準となるには時間がかかる可能性があり、RTX 5090が一部の特定ユーザー層向け製品として位置づけられる可能性も否定できない。


RTX 5090がCESで示す次世代GPUの方向性

RTX 5090を含むNvidiaの新GPUシリーズ「Blackwell」は、来月のCESで正式発表が予定されている。今回のリーク情報では、RTX 5090の他にもRTX 5080やRTX 5070シリーズの詳細が明らかにされると見られているが、その性能差は顕著である。5080では84基、5070では48基のストリームマルチプロセッサが稼働する仕様とされ、5090が突出した性能を誇ることが強調される。

この動きは、Nvidiaがハイエンドモデルで先進的な技術を市場に示しながら、他の製品ラインナップではよりコスト効率の高い選択肢を提供しようとしていることを示唆している。特に、RTX 5090が一部のエンスージアストやプロフェッショナル層を対象とする中、5080や5070が広範なユーザー層へのアクセスを目指す戦略とも取れる。

CESでは、NvidiaのCEOであるJensen Huangが価格や販売スケジュール、さらなる技術的詳細を発表すると予想される。このイベントを通じて、RTX 5090がどのように次世代GPU市場の基準を変革しうるのかが明らかになるだろう。競合他社の動向も含め、GPU市場の行方に注目が集まる。